※1と同じ注意です
※性懲りもなく再び某様の息子さん登場
「おっじゃまーウチの慧斗と朔夜いるか?」
「あれ、零もしかしてもう時間?」
「ウチのってお前な」
「気にしないの、時間はまだだけど…っつーかホントここの生徒会キラッキラしてんなあ…」
「ん?」
遠慮なく生徒会室に入ってきた零は呆れたように呟きながらぽす、と手近な空き椅子に腰掛けた。
「キラッキラしてるってどういうこと零兄?」
「どういうことって言われてもなあ…なんかこう煌びやかっつーか、綺麗所が集まってるから。アクル先輩なんか特に人気じゃん」
真面目そうって、とか言いながらヒカリの頭をぐしゃぐしゃ撫でる。
「顔は良くて真面目そうでも中身がな…」
「そうそう、中身がね、眼鏡なのにね」
「あは、朔夜も疾風もなんか言いたいことがあるんですか?」
「「滅相もない」」
「見た目だけじゃなくてちゃんと真面目に仕事してくださると助かりますけど」
咎めるように言うと会長に聞こえないフリをされた。この歩くセクハラが。
「てか会長今日も仕事終わってないの?俺慧斗と朔夜借りてきたいんだけど」
「別に俺の仕事だけですから、自分のことは自分でやりますしお貸ししま…痛!?」
「人を物扱いするんじゃない」
バシンと会長の頭を叩いて、すげえと呟いた零の頭も軽く小突いた。
痛いー、とわざとらしく叩かれた所を撫でる会長は無視だ無視。
「つか零ちゃんは二人連れてどこ行くの?」
「正確にはそこに悠紀入れた四人で飯食いに行くのさ。慧斗のお母さんの奢りで」
「え!いいないいな!」
「ヒカリは毎日が外食みたいなものじゃないの?」
「みんなと一緒に食べる方が美味しいし」
それに家のご飯よりも疾風のご飯の美味しいし。
拗ねたように言いながら頬を膨らませたヒカリが可愛くてやっぱり頭を撫でてしまった。
「…じゃあヒカリ今日も飯食いに来る?」
「え、いいの?」
俺に撫でられながらの疾風先輩の言葉にぱあっとヒカリの顔が明るくなる。それに疾風先輩はくしゃりと笑った。
「一人ぐらいならね」
「俺クリームパスタ食べたいです」
のに反応してにこにこしながら厚かましく自分の要望を言う会長。…を疾風先輩はそれはもう嫌そうな顔をしている。
とりあえず俺はごそごそと自分の荷物を片付けながら零に振り返った。
「よし、じゃあお言葉に甘えて俺達はご飯食べに行こっか。悠紀ちゃん待たせちゃ悪いし」
「りょーかい。悠紀呼んでくるわ」
「おい慧斗、俺達が先に帰ったらアクルのお守りはどうするんだ。疾風に任せていいのか?」
こそりと耳打ちしてきた朔夜にはふるふると首を左右に振り、疾風先輩とヒカリに手招きする。鞄も持ってくださいの言葉も付け加えて。
そして会長以外の皆の帰り仕度がすんだのを確認すると、俺は一人状況のわかっていないらしい会長に柔らかく優しく微笑んだ。
「"自分のことは自分でやります"ですよね会長?残ったお仕事お ひ と り で頑張ってくださいね」
「え、それは言葉のあやで」
「アクル会長頑張ってねー」
「慧斗ー悠紀連れてきたー」
「はいよー。それじゃあ会長、明日まだ仕事残ってたらまた椅子に縛りつけますからね」
ではお先に。
そう言い捨て一番最後に生徒会室を出ると、扉越しにすすり泣く声が聞こえた気がした。
(でも、自業自得ですよね会長)
「会長置いてきちゃってよかったのかなあ」
「いいのいいの。ねぇ零、俺イタリアンがいい」
「じゃあヒカリ、こっちもクリームパスタにしようか」
***ほのぼのEND.