「なに?」
ん?と首を傾げながら洋平は次の言葉を促した。
なにだなんて、そんなこと聞かなくても分かっているくせにと花道は思う。
恥ずかしくて顔を上げられない。
いじわる、と小さく頭の中で呟いてからもう一度無言のまま小さな紙袋を差し出した。
「だからな…」
「チョコ」
先ほどよりも少し強くなったその声を遮るように花道は口にした。
瞳は伏せたまま、耳は真っ赤に染まっている。
そんな花道に洋平は口許を緩ませる。
「あぁ、バレンタイン?」
にして随分遅いね、と唇を曲げた洋平に花道はさらに俯く。
バレンタイン、言葉にされると余計に恥ずかしい。
一体どうして今更自分はこんなことをやっているのかと少し情けなくなって下を向いたまま花道は強く目を瞑った。




終わり



ちょっとした思い付き。
2/14何も出来なかったので。
書けたらちゃんと仕上げたい。