久しぶりにバトンです。
以前見つけて放ったらかしになってたので…。



【明るいお題で泣くバトンD】


※次のお題で短文を作って下さい。ただし内容はシリアス限定です。



▼花を贈ろう (仙道×越野)

俺ね、越野のこと好きだったの。
白いタキシードに身を包んで照れ笑いを浮かべる君に、絶対に言ってはいけない言葉である。
こんなことなら同じ時間を共有していたあの頃に口にしていればよかったと今さらになって強く思う。
知らない女の隣で笑う君をおめでとうと容易く祝福出来るほどまだ俺は大人になっていない。
作り物の笑顔と共に、君に似合う花を贈るよ。



▼誰よりも大切な人 (流川×花道)

若気の至りだとか、気の迷いだとかで片付けられるような気持ちじゃなかった。
どうしようも無いくらいに愛しくて大切だったのだ。
多分それはお互いそうで、だからこそ欲しがるばかりの互いに息が詰まったのだ。
傷付けたい訳じゃないのに傍にいるだけで痛みを伴うようになってしまったら、もう離れる以外に術はなかった。
あの赤い髪も、琥珀色の目玉も、悪態を吐く時の悪戯な笑みもすべてが大切だった。
きっとこの先も誰より大切なのだと、離れた今でさえもそう思う。



▼太陽の下で (洋平×花道)

唇を合わす度に、体を重ねる度に思う。
日の光の下で手を繋ぐことすら躊躇うような自分たちの辿る先に、決して明るい未来などは待っていないのだ。
ねぇ花道、数ある未来の選択肢の中で俺を選んだことをどうか悔やまないで。
出来ることなら死ぬまで俺のそばにいて。
おまえの望むことぜんぶ、俺が叶えてやるから。



▼傍らの温もり (花道×洋平)

朝早くに目が覚めた。
横で眠る体温の持ち主はまだ夢の中のようだった。
時折寝息と共に漏れる小さな声や晒された肩が昨晩の出来事を連想させた。
乱れた髪を見ながら思う。
ごめんね洋平、こんなつもりじゃ無かったのに。
一向に治る気配の無い背中のおかげで溜まりにたまった苛立ちも焦燥も持て余し続けていたもどかしさも全部纏めて投げつけてしまった。
苦痛に歪む彼の顔を思い出す。
それでもきっと、目を覚ましたこの人はいつもと変わらない笑みと瞳を以て俺を許すのだろう。



▼幸せな夢を見た (洋平×花道)

彼の指が自分の首筋をなぞる。
それがそのまま指先まで下降していって、一度手の甲にキスをもらってから指を絡めた。
暫く指先で遊んでからやんわりとそれを解いて、彼の綺麗な鎖骨に指を這わすとくすぐったいよと彼が口の端を上げたので自分もつられて笑った。
それから手のひらを肩へとやって、彼という人間の形すべて自分のものにするみたいに背中へと腕を回す。
肩口に顔を埋めると彼の匂いしかしなくてまるで自分が彼の中に溶け込んだかのような感覚を覚える。
ねぇねぇと強請るように呼んで最近伸ばしっ放しにしている前髪をかき上げてもらった。
心底愛しいのだと言うような眼差しを受けて幸せを噛みしめた。
彼がいなくなる前日の鮮やかな記憶。
そんな夢を見た。






お疲れ様でした。最後に、次に回す人を指定して下さい。


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