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かなしい

さっき、母の友人が亡くなったそうだ。
私が小さいときは割と近場に住んでいて
よく面倒を見てもらった。

彼女のお孫さんと私が同い年で、
確か中学生くらいまでは、
年1回ほど会っていたと思う。
口うるさくて厳しい人だった。

彼女は母より10ほど年上の70代の女性で、
15年くらい前から身体も悪くて
入退院を繰り返してはいた。

2年くらい前から、
うちの実家からそこそこ近い病院にずっと入院してて。
母がすごく心配して、
できるだけ毎週お見舞いに行ってたようだった。

機械に疎い母が、
スマホで動画を撮って、再生する方法を聞いてきた。
入院中の彼女に、動画を撮って見せるんだと言って。


去年の終わり頃に、私もお見舞いに行った。
もう10年くらい会ってないし、
母に「サイカちゃんは元気?」って聞くのだと聞いて、
会っておかないといけないと思って。

久しぶりに会った彼女はすごく老けこんでいて
びっくりするほど弱々しくなっていて、
あまり声もうまく出せなくて、細くて、
私の知っている元気な彼女ではなかったことがショックだった。

一目見て先は長くないと思った。
数年以内には悪いニュースを聞くことになるだろうと思った。
だから、お久しぶりですと言ったあと、
なんて声をかけていいかわからなかった。
彼女の衰弱ぶりにひたすら戸惑っていた。

私の顔を見て、彼女は泣いていた。
「マスクとって」「顔をよく見せて」
「きれいになったわね」「会えてよかった」
たしかそんなことを言われた。

今までずっと会いに来なかったなんて、
なんて不義理なことをしたんだろうと思った。
その罪悪感だけで、別れ際に
「また来ますね」
と言った。

正直に言えば、
また行きたいとは思わなかった。

病院は暗いし辛気臭いし
彼女は想像以上に生命力がなかった。
何もかも居心地が悪くて、
何を話していいかもわからなかった。
お見舞いのときにどう振る舞うのが適切なのかさえ私にはわからなかった。

でもだからこそ、
またお見舞いに行かないといけないと思った。
私が思っているほど
彼女が長くないことは見てわかったから。


でも年明け、
仕事でバタついたり、
妊娠したり人間関係でトラブったり独立したりしていたら
すっかり忘れていた。

彼女の話を母から聞いたとき、
妊娠中に会っておきたいなと思った。
生まれてからじゃお見舞いは難しいだろうし、
大きいお腹で会いに行ったら
きっとすごく喜んでくれると思った。

彼女と何を話せばいいかもわからないのだから
そういう時の方が間が持つだろうと思ったのもある。

でも結局仕事にかまけて、
お見舞いの予定は立てなかった。


また来ますって言ったのに。
そう言ったとき、すごく彼女は嬉しそうだった。
でも行かないまま彼女は死んでしまった。
待ってるわねって言ってた。私は嘘をついた。
妊娠中に会いに行かないと、
会えなくなることもなんとなく察していたのに。


私に会って涙を流すほど、
彼女は私を思ってくれていた。
彼女が元気なうちに
面倒くさがらず会っておけばよかった。

そうしたらきっとあんなに驚かなかったし、
もっと気の利いたことも言えただろうに。


葬儀は近日中に家族で行うらしい。
母から「手を合わせておいて」と言われた。

彼女は茨城のお墓に入るそうだ。
手を合わせに行けるのはいつになるんだろう。
いつになったら私はあの無責任な口先だけの
「また来ます」を実現できるんだろう。
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価値観が圧倒的に違う人間に理解させるのは難しい

なんかおっぱい痛いんだけどなにこれ。
まだ大きくなるのかな。
やっぱり下着買い替えかな。


昨日父母と彼を会わせた。
去年の正月に会わせておいたけど、
妊娠してからは初。

とりあえずなんとかなったー。

父も変なこと言わなかったし、
母もまあそこそこ安心したようだし、
だるいことは起きなかった。
彼は疲れただろうけど。


彼から両親に
・籍を入れないこと
・彼の仕事と生活のスタンス
を説明してもらった。

籍を入れないのは、
彼の実家のお家柄的な事情と私の感情があるけど
とりあえず彼から彼の実家の話をしてもらった。

このご時世、戸籍がどうかなんて
行政的な制度利用の部分以外は
大した問題はないと思うのだけど。
親世代からすると大変に大変な問題らしい。
普段戸籍のことなんて考えてないくせにな。

私からしたら相手が誰であれ
籍を入れて名字が変わることの方が精神的リスクが高い。
私のアイデンティティに関わる。

そもそも3組に1組が離婚してるし、
婚姻関係が続いてても家庭内別居とか
経済的な理由で離婚できないとかあるわけで。
そういうことを山ほど耳にして育ってたら、
同一生計にして、名字を揃えるなんて
リスキーな提案にしか思えない。

もしかしたら将来私も彼のことを
視界に入れたくないと思うほど
嫌いになるかもしれないし。
いまは尊敬していても感情のことだから保証はできない。

ただ、入籍しない理由に離婚率とか
私の感情とかアイデンティティとか説明をするよりも
「彼の実家のお家柄がやんごとなくて面倒だから、
そこに子どもを巻き込みたくない」
っていう建前の方が父親には伝わりやすい。

私も彼も戸籍がどうであれ、
生まれてくる子どもの親であることには変わらないと思っている。


彼の仕事の件に関しては
うちの親は基本サラリーマン志向で
「生活のために仕事をする」価値観の人たちだから
自営業の私にさえあまり理解を示さないのに
投資家の生き方はなかなか理解できないだろうなと思った。

彼の仕事に対して理解するって
たぶんうちの親にはすごく難しくて、
経済的な経営的な知識がないと
お金が入ってくる仕組みがよくわからないし。

理解したところで、
お金が入ってくるのになんでそんなに忙しく仕事するの?
って思うだろうし。

そもそも親が生きてきた時代は一億総中流だからか
稼いでる人に対するイメージも悪いし。
最初会わせたときも
お金があるならなんでわざわざうちの娘なの?
騙してるの?って思ってたし。

ただまあ、よくわからないけど、
金があるからって際限なく使ってるわけでもないし
固定給じゃない分そこらの勤め人男性より経済感覚があるし
なんとなく大丈夫そうな気がするってことは理解したっぽい。


子育てにはベビーシッターも使うし
家事代行サービスも考えてるって彼が言ったら
母親は甲斐性ある!って感じだったのに、
父親が嫌な顔したの、超絶片腹痛かったけどな。

私の育児は覚えてないから知らんけど、
家事に関しては一切手伝いもしないで
母親に負担ばっかかけてた人間が
「家のことを他人に任せるなんて」
みたいなこと言い出しそうだったの片腹痛いわ。

ていうかそこに金使わなかったら
どこに金使うんだよ。
私も彼も起きてる時間のほとんどが仕事みたいな
バキバキの仕事人間なんだから
小さい子どもがいる家のことなんか
サポートなけりゃやってられんわ。

住み込みの家政婦さんじゃありません、
あくまでサポートとして制度を利用します

って言ったらちょっと納得したっぽかったけど。

週5パートで働きながら
家事を完璧にやってた母に言われるならまだしも。
家事をやらずに母に家を出ていかれた父にだけは言われたくないわ。

まあ、うちの父は
「誰のおかげで飯が食えてるんだ」世代のじいさんだけど、
誰のおかげでって、母のおかげだと思う。

家計をやりくりして、
足りない分をパートで稼いで
家に帰ってはうまい飯を作ってくれてる
母のおかげで不自由なく飯が食えてる。

もちろん父が働いてくれていたから
私は大学ま出させてもらったってこともわかってるけど。

私は家のことなんか、できればやりたくないの。
女が家政婦代わりだった時代なんか終わってんの。


うちの両親はほんとに普通の両親だと思う。
還暦過ぎて旧世代的価値観ガチガチの父親と
正社員至上主義で使える制度は使えという母親。
彼らと同じような価値観の人間は同世代でもいる。

でも、
リベラル志向で会社員になれない私と
お家柄も仕事も経歴もややこしい彼。

そこそこ和やかに終わったとはいえ
なんかもう価値観の断絶が凄まじかったし、
彼は疲れただろうと思ったら

久しぶりに「普通の人」とお話しして
理解してもらうのは大変だとは思ったけど、
娘が幸せならそれで良いと思ってるのは伝わったし、
なんか癒されたし、ちゃんと守らなきゃなと思った。

と言ってくれたから、まあよかったのかな。

「たぶんお前の親は、娘は悪い奴に捕まったと思ってると思う」
「そうかな。うーんまあ、そうかもね。君、悪い奴だもんね」
「せやな。悪役感あるもんな」
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