2016-1-18 11:17
ちょっと浮かんだので追記から。
特に意味はないです。
遊びに行こう、と連絡が来た。
高校時代はわりと親しかった友人、「また遊ぼうな」と言ってはいたものの、卒業してからはついに連絡も取ることがなかった友人からだった。
差出人を見て、まず、珍しいなと思った。
文面を見て、こいつ生きてたんだなと思った。
久しぶりだな。いいよ。いつにする?
飾り気のない用件だけのメールに了承の旨を送信して、携帯を閉じる。返事は来なかった。
自分から誘っておきながら何だよ、と不貞腐れていた。友達がいのない奴だな、そう考えて、いつしか返事が来ないメールの、その存在すら忘れてしまった。
人づてに、そいつが自殺したことを知った。あのメールを受け取ってから、ずっと後の話だった。
ああ、そういえば。軽く切り出して話し始めたのは、今まで交流を続けている高校時代の友人、Sだった。
あいつ、死んだらしいよ。覚えてるか?2年の時同じクラスだったさあ。
へえ、そうなんだ。
俺、前にあいつから遊びに行こうってメールもらったんだよ。いいよって返したのに返事くれなくてさ、あの時、何か話聞いてもらいたかったんじゃないかなあ。
話し続けるSに、俺は適当に相槌を打つ。Sは俺の様子を見て、尚も続けた。
高校卒業してから会ってなかったしな。何かあったんだろうなあ。話くらい聞いてやれれば、あいつが死ぬことなんて、なかったのかもしれないよなあ。
目の前の男はひととおり勝手に話して、横目で俺を見る。俺が話を広げる素振りがないのを察してか、そうだ、この間上司がさあ…と先程まで散々零していた仕事の愚痴に話題を戻す。もう、その友人の話が話題にのぼることはなかった。