ある日の夜、仕事終わりに俺は都内某所に呼ばれた。
「ここで…いいんだよな。」
そこは完全に飲み屋なお店だった。
そして、その店で予約されてる名前で案内された部屋で待ち受けていたのは…。
「あら、井ノ原さん。お待ちしてましたわよ?」
「…何でその格好で待ってんだよお前は(笑)」
そう、俺をこの店に呼んだ張本人:TOKIOの松岡が、ドラマの役の姿で待ち受けていたのです(笑)
「ゴメンゴメン。俺も実は丁度撮影帰りなの。」
「とりあえず、お手洗いで着替えて来いよ。」
「そうしま〜す。」
と彼はお手洗いへ行く始末。
「ったく…あれ絶対わざとだな。アイツ。」
なんて言いつつも、俺はビールを注文して待ってた。
「お待たせ。」
「お前、あれ絶対わざとだろ?」
「さすが井ノ原、よく分かってらっしゃる。」
「てか、この間のラジオ聞いたけど…あの話題何で語ったの?しかも、放送第1曲目が、寺尾班長の名曲で始めるし(笑)」
「だって、母の日だったろ?だからなんとなく。」
「はいはい。」
そんな話しつつもやって来たビールを持って…
「んじゃ、少し早いけど…井ノ原誕生日おめでとう。」
「ありがとう。乾杯。」
と乾杯してぐいっと飲む。
「ああ〜うめぇ。」
「そういやお前んとこ大丈夫なん?」
「ん?何が?」
「何がって…色々だよ。」
「まぁ…これからも一生懸命仕事をこなすしか、改善できないと思ってる。あの人がやった事に関して、俺達が何も相談に乗らなかったのもあるし、その時の気持ちを…気づいてやれなかったのが1番悔しいけどね。」
「そっか。とりあえず前へ進もうって感じなんだね。」
「そっ。だから、24年という所で、上2組が苦しんだけど、V6は同じようになって欲しくないな。」
「だね。今のうちに坂本君辺りに厄払いでもして貰っておこうかな?」
「そうしとけ。」
なんて、普段は本音をあまり語らないコイツが、俺といる時は腹を割って話してくれる。
食事も済んで、店を出ると…
「松岡…今日はありがとな。」
「いやいや、こっちこそ。」
「これから、グループとして苦しいかもしれないけど…頑張れよ。そして、困ったら頼っていいから。」
「ああ。」
帰り際にアイツからプレゼント貰って俺はそのまま家族の待つ家へと帰った。
ここは都内某所。
「皆、ハロウィンで盛り上がってるね。」
「そうだな…ところで…」
俺は自分の格好を見て。
「もしかして…これってハロウィンだから?」
「…それ以外に何でやってると?」
そう…俺達も実は仮装してたりする。
俺は坂本。んで一緒にいるのは長野。
そう…只今、都内のハロウィンイベントにこっそり参加してたりする。
ちなみに、俺はドラキュラコス、長野は魔法使い。
「似合ってるじゃん。坂本君のドラキュラ。」
「お前はそうでもないけどな。」
そんな感じで電車に乗って、都内中心部から離れ。ある場所へと向かう。
「…どこ向かってるの?」
「俺ん家。なんか文句でも?」
「いやっ…べつにないけど何でかなって…。」
「…忘れたんかよ。明日何の日だよ。」
それを聞いて長野はハッとしたらしく。
「…もうそんな日だっけ?早いね。」
「忘れんなよ…。大事な日なんだから。」
「すいませんでした。」
そうして家に着いてご飯を済ませた後…。
「ご馳走様でした。」
「おう。」
「あっ…片付け手伝うよ。」
「いやっ…気持ちだけで十分。ゆっくりしてろよ。」
「わかった…。」
そうして洗い物しつつ彼を見た俺は…。
「お前見てるとこっちが焦るんだよ。お前は、俺にさえ疲れてるとこなんて見せないんだから。」
なんてつぶやいたのは内緒。
ー終われ。ー
仕事を終えたある日…。
「達也!」
「…どうした?珍しく俺をそう呼ぶなんて。」
「これから坂本と長野と一緒に新年会&あんさんの誕生日祝うから行くで!」
「…強制かい。」
仕方なくしげに付き合うととある店に着く。
「ここ?」
「おん。」
中に入ると…
「あっ…2人ともこっちこっち!」
「遅かったな。」
「ごめんなぁ。道が渋滞してたもんやから。」
「マサに長野、新年明けましておめでとう。」
「あっ…そっか。今年は今日が初めてだモンね。」
「今年もよろしくな。とりあえず座れよ。」
「おう…。」
そうして飲み物も注文して挨拶に入る。
「え〜っ…新年明けましておめでとうございます。」
「「おめでとうございます。」」
「昨年はお世話になりました。そして、今年も1年我々TOKIOとV6にとって良い1年であると共に山口の41歳の誕生日をお祝いさせて頂きます。」
「おめでとう。山口君。」
「おめでとな。」
「ありがとうございます。今年も1年お互いよろしくお願いします。というわけで…乾杯
」
「「乾杯!」」
グラスを手にして乾杯すると…携帯にはたくさんのメールが。
「いっぱい来たな…。長瀬にマツジュンに太一も来たし、枡君も来た。」
「…すごいね。」
「恐らく俺らの中で1番後輩の付き合いが多いよ。」
「…かもな。」
そう…俺は一応ジャニーズ内でサーフィンのサークルをやっていてマツジュンやタッキーなど後輩の絡みもある。
まぁ…最近は互いのスケジュールの都合上会えないことが多いが。
でも集まって飲み会するときは大体割り勘か俺がまとめて精算してしまうことが多いです。(注:実話)
そんなことは置いといて、飲んでいるとマサが酒を飲んでいないことに気付く。
「あれ?酒飲まないの?」
「…飲みたいけどさ、ハンドルキーパーしないとかなって。」
「…成る程。」
そうやって2人を見るとすでに酔いつぶれていた。
「長野の奴…2日酔いになっても知らねぇぞ?」
「…確実になりそうだな。酒弱いし。」
「「ZZZ…。」」
「でもさ…。」
「…なんだよ。」
「ありがとな。毎年こうやって祝ってくれて。」
「帰ったらきっと子供たちが『パパおめでと〜
』って言ってくれるんじゃないの?」
「いんや。仕事前に言われたから大丈夫。」
「そっか。」
「とりあえず…2人でも持ち帰りましょうか。」
「…だな。」
そうして今年は珍しくごたごたにならずに済んだとさ。
…終われ。
−とある収録現場の休憩室…。−
「まぁく〜ん。もうすぐ収録…。」
中に入ると彼は寝息を立てて眠っている…しかも何も掛けていない状態で。
「…そんなことしてると風邪引くぞ?バカ…。」
「ZZZ…。」
彼にそっと近くにあったタオルを掛けると俺もその隣で寝る事にした。
…しばらくしてその収録5分前。
「おっはよう!2人とも…って寝てるし。」
すやすやと眠る俺と坂本君を見た井ノ原は…
「…これどうすればいいの?」
と悩むしかなかったとか(笑)
−一方でとある無人島では(笑)−
「し〜げっ!」
「…何やねん。」
「…今日は何の日だ?」
「…分らんわ。」
「いい夫婦の日だよ。忘れてんの?」
「さよか。けどわてら夫婦とちゃうやん。」
「けど、たまにはこうして2人だけっていうのも悪くないだろ?」
「…そやね。」
…そんな半ラブラブ状態の2人を見た人間は。
「ねぇ…太一君。」
「…なんだよ。」
「…あの2人どうします?」
「ほっとけ。そのうち何とかなるだろ。」
「…だといいですけど。あの状況を地上波でお送りしたらどうなるんでしょうね?」
「…確実に事務所に呼ばれるわっ!」
「てか…あの状況をマボが見てたらきっと嫉妬しているだろうね。」
「…だな。」
そう…太一と長瀬が2人をそんな風にまじまじと見ているのであった(笑)
…終われ。
とある夜…僕はいつもならやらないことをしていた。
「なして送って来ないんや〜
この薄情者〜
」
そう…今日は僕の誕生日。
メンバーから1人ずつ祝いのメールが来ているが、何故か1人だけ来ていないことに気づきさっきから携帯をカチカチ打っている。
「もうすぐで終わってまうのになして来ないんや
あのアホは
」
そうブチブチしているとバイブ音。
「…もしもし
」
「あっ…もしかして怒ってる?ごめんな
遅くなって…てか今家にいる?」
相手はさっきまで「薄情者」とか「アホ」とか言ってた張本人(笑)
その声に僕は少し涙目になった。
「…おるけど。」
「じゃあ…待ってて。」
そう言うと家のアラームがピンポ〜ンと知らせる。
「ごめん…しげ…待った?」
どっかでロケでもしてたのだろうか彼ははぁはぁと息が荒い。
「…遅いわアホ。待ってたんやから。」
「ごめん。ちと雑誌の取材で海外行ってたから遅くなった。これ…受け取って。」
そう言って彼が渡したのはペンダント。
「…何やねん。これ。」
「…誕生日プレゼントだよ。まだ日付変わってねぇだろ?誕生日おめでとう…しげ。」
「…達也のバカ。外寒いやろ?早う中入ってや。」
「おう…ごめん。」
そうして僕は残り少ない誕生日の時間を彼と一緒に過ごしたとさ。
…終われ。