父は板前だったのですが…

生前、家でその腕前を披露することはありませんでした。

だからわたしも弟も、
『お父さんは腕の良い料理人だった』
と、言われてもいまひとつピンと来なかったのです。
(←父さんごめん)


昨日、遺品の整理をしていた所…

日本料理の本や、すっかり色の変わってしまった手書きの料理ノートがたくさん出てきたのです。

そこでようやく、わたしは父の友人や姉兄たちの言葉に納得が行きました。

わたしたちの知らない所で、父は努力をしていたのですね。

日本料理の本は使い込まれた刺身包丁と共に、駆け出しの料理人(目指す先は中華ですが)である弟に受け継がれました。

…きっと、父も喜んでいると思います。