昨日の飲み会のお店のピザがサクサクのもっちもちで美味しかったです。また行きたいなあ。
もう12月も終わってしまいそうなのですがクリスマスに合わせて更新しようと思っていた紫電さんとレイくんのお話をひとつ。
設定はゼロ部屋と同じですが別なやつです。
「…レイ」
微かにだが名前を呼ばれた気がしてぱちりと目を開けると自分と同じ顔が間近にあった。
目が合ったと思う間もなく眼鏡の奥の紫色の瞳が柔らかく細められ、
おはようございますと落ち着いたこれまた優しげな声がオレに向けられる。
姿も、声も。全部自分自身のものである筈なのにこの違いだ。
「レイ?」
「ああ、悪ぃな紫電。おはよう」
ぼんやりと紫電を眺めていたのだが返事を返せば嬉しそうに、にこりと微笑まれた。
瞬く間に用意されたソファへと移動しようとして漸くオレは自分の状態に気がつく。
「…なんだ、この紫のヤツ」
「靴下でございますよ」
「靴下ぁ?幾らなんでもでかすぎるだろ?」
実際紫電が靴下と呼んだ布はオレがすっぽり入ってしまうほどの大きさである。
「いいのです、その靴下はプレゼントを入れて頂く為のものでございますから」
「プレゼント?そんなもん…」
『靴下』『プレゼント』なんだか最近聞いた言葉である。
偶々下りた星で『くりすます』という祭りをやっていた筈で、
紫電はオレがそこで得た知識でこういう不思議な行動をしている訳だ。
「ここにはプレゼントを運ぶヤツはいねえだろ?
あ、もしかしてオレがあれだ、…なんだっけ、贈りものを運ぶ…」
「サンタクロースでございますか?」
「そう、サンタだ!そいつって事か!」
プレゼントが欲しいから靴下を用意したのだろうと推測したのだが、
紫電はオレを靴下から出しながら違いますよと笑う。
「靴下に入っているのは私へのプレゼント、でございますよ、レイ」
ぎゅうっと抱きしめられたと思えば今度は耳元で囁かれた。
本当にコイツは、とくすぐったかった耳元を押さえ、
反撃の手を思いついて実行に移してやると澄ました顔が朱に染まる。
「どうだ、オレからのプレゼントってやつだ」
「…私は…幸せ者でございます」
啄む様な軽い口付けの後をゆっくりと指でなぞると、
紫電はそれはそれは幸せそうに微笑んだ。
「今宵は私だけの貴方でいてくださいますか?」
「んな顔されて他へ行けるワケねえだろ」
「嬉しいです。…勿論逃がす気など更々ありませんでしたが」
何やら物騒な空気を醸し出されつつもご機嫌な紫電にあれこれと世話を焼かれながら二人きりの一時を過ごした。