閃光ちゃんと紺碧さん。
今更ですがハロウィンのゼロゼロさんは特に左右決めてないです。
どっちでもいちゃいちゃしてるといいなと思います。
ゼロレイさんのハロウィンは間に合わな…え?ハロウィンって11/2まで?え?
こっそり増やそう…。
「さて次はボクっと…どうしようかな?」
ボクを罵りながら逃げだした灼熱を見送った後、
自分の衣装の事を考えた。一応魔女の衣装とかをアレンジしたヤツとかを用意したり、
狼男もミイラも黒猫とかも考えてみたんだ。
だけどもっと珍しい仮装を、と考えていて思い出した。
自分が悪戯を仕掛けたい人が時折好んで着ている服を。
「あれにしよう!あれもCuteだよね!」
イメージした服を引っ張り出していそいそと着替えるとボクは早速彼の元へ向かう。
途中、皆が集まる広間を覗いたけれど誰も居ないみたい。
とても静かだから皆どこかの部屋にいるのかな?
ボクも早く会いたくて彼、紺碧の部屋のドアをノックすると声が返ってきた。
入ってきてもいいと言われたから遠慮なくドアを開けたボクは真っ直ぐに紺碧に抱きついた。
「紺碧、Trick or Treat!」
「とりっくおあとりぃと?」
たどたどしい復唱が可愛らしくギャップも相まってつい笑ってしまったのだけど、
眉間に刻まれた皺と怒りのオーラを感じて笑いをひっこめた。
「sorry!紺碧が可愛くてつい」
「オレ様が可愛いなどと戯言を…」
「戯言じゃないよ!Very Cuteだもん!」
紺碧は可愛い、と言い募るボクに呆れた眼差しを投げかけながらもボクの恰好に気がついた様だ。
薄い水色の着物に狐の耳と尻尾をつけてみたんだ。
「…ハロウィンの仮装としては系統が違う様だが」
「同じじゃつまんないかなって思って。それにこれ、紺碧とおそろいだし」
自室にいた所為か紺碧も着物姿だった。着流しっていうのかな?
じっとボクを見ていた紺碧だったけど「うぬの方が余程愛らしい姿ではないか」って言ってくれたんだ。
褒められたのが嬉しくてぎゅうっと抱きつく腕に力を込めた。
「ねえ、お菓子をくれないとイタズラしちゃうよ?」
多分お菓子なんて持ってないだろうと思って紺碧に迫ったボクの唇に白くて柔らかなものが押し当てられた。
なんだろうと受け取ってみると大福だった。とっても柔らかくて中の餡子もとびっきり甘くて美味しい。
美味しいけどアテが外れてしまった事で肩を落とすボクに紺碧は淡々と言い放った。
「オレ様は接吻を戯れでするのは好かぬ」
「はぁい…ごめんなさい…。でも、これどうしたの?」
古めかしい机の上に山盛りにされた大福とお茶の用意がしてあって、
座れと促された。
「偶には茶でも共にと思ってな」
「そうなの?えへへ…嬉しい」
淹れてもらったお茶を飲みながら勧められた大福をまたひとつ頬張る。
皆でピザを食べるのも楽しくて好きだけど、
好きな人と二人で同じものを食べるのってとっても嬉しいし、
とても美味しく感じられてHappyだなぁって思っていたボクに紺碧がさらりと問題発言をひとつ。
「戯れでなくば先程の続きをしてもよいのだがな」
「えっ!?ホント?」
行儀が悪いぞって、立ちあがって机の上に身を乗り出したボクを叱るけど、
「ゆっくりして行くがいい」と笑った紺碧に力いっぱい頷いたんだ。