すでに閃光ちゃんに悪戯されてる気がしないでもない灼熱くん。
次は閃光ちゃんと紺碧さんです。
ゼロレイさんのハロウィンもしたいです。





今日はハロウィンというやつをやろう!という閃光の誘いに、
丁度暇を持て余していたオレは軽く承諾の返事をした。
ハロウィンなら仮装、と一緒に居た疾風にオレンジ色のローブやら、顔のついた帽子やら、
あれは何か見たことあるぞ…ああ、かぼちゃパンツってやつか?
そんなのを着せていた。
まだ弄りたそうな閃光を余所に疾風はびゅびゅっとお菓子を紫電に貰うぜ!とはしゃいで風の様に去って行った。

「ふふ、灼熱は、どうしようかなぁ?」

渋々疾風を見送ることになった閃光は笑顔に妙に迫力が加わっていて、
危険を察知したオレがやっぱりやめとく、と言おうとしたのを逃がさないとばかりに押し倒して服をひん剥いた。

「ぎゃっ!!!お、おい、ちょっ!待て!」
「待たないよ。灼熱には…これかな!」
「なんだそれ!穿いてる意味ねえじゃねえか!」
「とってもSexyでCuteだから安心して」
「ふざけんな!そんなもん求めてねええええええええええええ!!!」

閃光が満足するまで弄られた自分の姿を確認する事もなく逃げ出したオレは
珍しくソファに身を預けて目を閉じていた白銀を見つけた。
寝てる時の白銀は堅苦しさが抜けていて可愛い所もあるじゃんと密かに思っている。
しかしこんなとこで寝てたら風邪を、の前に閃光の餌食になりそうで、
一応起こしてやるかと声をかけた。

「白銀?おーい、起きてるか?」
「………起床している………」

ぼんやりとした視点の定まらない瞳がじいっとオレを映して、
何度かの瞬きの後、ゴーグルを外して目を擦って二度見された。

「………灼熱?貴様、その格好は…」
「格好?……あっ!うわ、これは…くそっ!見るんじゃねえよ!」

白銀を見てて忘れてた黒い角が二本と赤くて薄いシャツに黒のホットパンツ、
更に背に蝙蝠みたいな翼、尻の辺りに尻尾というどうにも寒々しい自分の姿を確認してしまったオレは、
ソファを盾にしゃがみこんだ。

「中々に扇情的な姿だ」
「せんじょーてきとか言うなよ!好きでこんな恰好な訳じゃねえ!」
「いかなる理由があると言うのだ?」

全く事情の呑み込めていない白銀にしたら何かオレが変な恰好してるって思っているんだろうが、
閃光がハロウィンしようって、と言った途端にああ、と納得したようだった。
が、立たせたオレを上から下までじっくりと見ている白銀の視線にゾクリとしてスイッチが入る。

「白銀よぉ、Trick or Treatつったらどっちを選ぶ?」
「菓子は持っていない」
「んじゃあ、イタズラだな」

白銀が抵抗してこないのをいいことに唇を合わせ舌を絡めた。
すると腰に手を回され、白銀の舌も動き出した。
くちゅくちゅと水音とどちらともなく漏らした吐息が部屋に響く。

唇を離す頃にはお互い肩で息をしていたが、白銀は笑った。

「Trick or Treat、貴様も菓子は持っていない筈だろう?」
「…イタズラ続行だな」
「そうだな」

結局部屋にしけこんだのであの仮装は閃光と白銀以外には見られずに済んだな、
とベットで微睡みながらふと思い至った。