ちゃんと
真面目なお人を捕まえたことだろう


話題:やっぱり、君の隣が一番落ち着く


 
うんうん、ふたりとも意外としっかりしてるし真面目でもありますよ。

私はよく知ってるんだー。

 




バイト先でゆうちゃんの顔を見て、


「ゆうちゃんフェイスブック見たー!?」


ってすぐ声かけちゃったよ。
誰も見てなかったとはいえ、バイト先では仲町先生って呼ぼうと決めてたのに。
 



見てないというゆうちゃんに私の携帯で画面を見せると、


「えー!この婚姻届けの名前!あの柳生!?あの柳生!?えっ、あの生徒!?」


私の元カレを"あの柳生"呼ばわりするくらいびっくりしてたよ。恥ずかしながら狭いコミュニティでね、ふたりとも私たちの共通の知り合いなんです。






びっくりした、本当にびっくりしたよ、ゆうちゃんもびっくりしたよね?と帰り道に尋ねると、



「うーん、でもきっとまきちゃんが一番びっくりしたよね。僕はさ、あんまり知ってる生徒じゃないから。まきちゃんがずーっとあの子の授業してたもんね?」



ゆうちゃんが優しく声をかけてくれてハッとする。そうだ、わたし、きっとこんな言葉を求めてたんだ。  

あなたが驚いたりするのは決して間違ったことではないよ、という肯定の言葉。




そうなんだよ、私の生徒だったんだよ。夏期講習とかさ、毎日授業してたんだ。
びっくりした、びっくりしたよ。






不憫に思ったのかそのままコンビニへ行って、肉マンと飲むヨーグルトを買ってくれました。

半分こした肉マンを食べる。
温かいものが胃のなかにはいっていくとなんとなく落ち着く気がした。
私が彼らと一緒にいたのは昔のことで、いまは全く状況が違うのだ、という風に、物事の輪郭がはっきりしていく感じ。



誰もいない場所で抱き締めてくれた。
なかなか離れようとしない私の頭を、笑いながら撫でてくれたよ。



ゆうちゃんがいてくれてよかった。 
他の人ではきっと駄目なんだ。



『そのドレスちょっと待った』