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18日/君捧SS「炬燵は魔物?」

『君へ捧げる物語』SS
「炬燵は魔物?」


 炬燵(こたつ)は魔物だと思うの。
 お布団は暖かくなるまで時間がかかるけれど、寝転がって肩まですっぽり炬燵に入れば暖かい。


「……ちゃん。花白ちゃん、起きて」

「んぅ……?」

(パパ……?)


 肩から伝わる緩やかな振動と、大好きな人の優しい声。
 誘われるように目を開けると、寝起きでまだボンヤリとする視界の先に少し困った顔をしたパパの顔が見えた。


「起きた? こんな所で寝たら風邪引くよ。寝るならベッドで寝ようね」

「ん〜。分かってるけど……。だってお布団より暖かいんだもん」

(それにね……)

「ほら、早く寝室に行って。暖房つけてあるから暖かいよ」

 明日も学校なのに困った子だねと言われ、モゾモゾと名残惜しさを感じながら炬燵から起き上がる。


「さぁ、一緒に寝に行こう?」

「うん!」


 言葉と共に差し出された手をギュッと握れば、ジワリとパパの温もりが伝わってくる。


 それにね……

 パパがこうして優しく起こしてくれるから、怒られるって分かっててもついつい寝てしまうんだよ――




―――本当の魔物はパパ



*END*

 
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