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どうか空っぽにはならないで。なってもいいけどそのままいなくなったりしないでください 弱い人間で良かった 好きに生きていいから 私も好きに生きるから 好きに生きれるよう努力するから どうか 私の気まぐれも嫌わないで こんな人間もいるんだなって思ってください
彼女の唇は大体いつも乾いていて薄い色をしているけれど、柔らかく温かそうな感じだなと思う。そのせいというわけでもないがつい今日もその小さくすぼませた口元を見ていた。陽は薄くしか差しておらず、薄暗いわりには妙に暑い秋の中ほどで、頭がぼんやりとする。
もう乗り換えがいらないところまで帰ってきた。思い出したようにしか喋らない彼女の隣にじっと立っている僕の口も当然のようにじっとしているはずなのに、すごく乾いてしまうのは変な気候のせいだろうか。相槌のたびにかすれそうな喉をそれとなく気遣って唾を飲みこみ、小さく息を吐いた。遠くに視線をやる。まあまあの混み具合だろう、白いワイシャツの袖をまくる会社員達はまだまだ暑そうだけど、彼女はもうとっくに分厚めのトレーナーやらを着出すようになっていた。
今日は帰ったらすぐに寝ますと言うので、はいそうして下さい、と返す、と、彼女の長い睫毛がゆっくり震え、乾いたままの唇がクッと引き伸ばされていく。もう僕はちらりと見えた並びのいい白い歯、は言うまでもなく、くすんでかすみがかったのその唇から目が離せない。彼女のリップクリームが彼女の胸のポケットに入っているのは知っていたけれど、彼女が少しうつむいてはい、そうします、と言ったので、たまらなくなって、そして何事もどうでもよくなった。
初めから自転車は下宿先に置いてきた。少し肌寒い夜更けも、恐らく急いでゆく必要はないし、火照った頬を冷ましながら、彼女が小さく鼻歌を歌うのを黙って聞いてやらなくちゃならない。チカチカと眩しいネオンのせいで互いの顔も満足に見えないだろうに、手もつなげない僕が彼女を認められるのは、ずって歩く足音にうっかり紛れてしまう彼女の好きな歌であって、しょっちゅう僕は夢遊病みたいに記憶がないまま、あっという間のくせに長い長い夜道をなんとなくやり過ごす、というよりはやり遂げてしまうので、まさかいつの間にか僕や彼女がいなくなってしまうだなんて女々しく面倒なことはお互いに考えなくていい間柄であるとわかってはいるけれど、それでもせめて、二人でいるという特別な帰路を、最初からなかったみたいにするのは嫌だなと思う。帰るまでが遠足、だなんて言い得て妙で、今の僕達は遠足がしたいのだな。どこか浮ついて、帰り道が寂しい遠足、ピクニック…。
生理前だからか知らないけれど バイト休みの日に 本当に寝て起きて朝ご飯昼ご飯寝て起きて晩ご飯みたいな自堕落な生活で お風呂も入りたくなくてずっといろんなことを考えては涙が出て体はずっしりと重たくなって床に這いつくばってそのまま少し眠り、夜中怯えながらベッドに上がって小さくなって眠った