どのタイミングでそんな事になったのか

気づけば めちゃめちゃなスピードでバイクを走らせていた



4号線下り
高井戸出口を過ぎ 両側を壁に挟まれた圧迫感のあるエリア

その時はまだ 流れにのっていたと記憶している


三鷹の料金所に向かって 全体的にスピードが上がる中
目の前が開けたので 更に加速した

料金所手前
右から三番目のゲートに前の車たちが 順序よく吸い込まれて行くのを見ながら
空いた二番目のゲートへと加速する

その時白のワンボックスが 隣のレーンが空いているのに気がついたのだろう
いきなり目の前に飛び出してきた

くんっと ブレーキを入れ 体重を右に掛けると
そのままワンボックスをパスしながら 一番右のゲートに向かった


このゲートからだと 料金所先の合流がキツく あまり好きじゃない


ゲートを抜けながら 加速を開始して
左の車列の前に出ると
ちょっと右に腰をずらし 左手をハンドルから離して 左後方を目視

接近車が居ないのを確かめると
そのまま アクセルを開けた


風圧と加速に耐える様に タンクの上に身を屈める

フォー…っと 心地よい直列4気筒の音を聴く



すぐに前走車に追いつく


微妙なトラフィック

それが調布を過ぎると かなりバラけた



今一度 タンクに身を伏せると 一気にワイドオープン



走行車線が空いていても 追い越し車線を譲らないドライバーが多い


パシパシっと パッシングを浴びせても効果なし

意固地になって退かすより 快適なライディングを選択


走行車線を使ってパス



両車線とも塞がっていれば 車の間をすり抜ける



右にはちょっと古いヤン車
タクシーを抜きかけていたのに

僕への意地悪なのか

タクシーを抜かずに併走


タクシーはバカなのか
車線区分のラインを踏む程 右に寄って走っている


一旦引いて

タクシーを左から
つまり 路肩側から抜く選択もある



が 到底そんな気分じゃない




行っちまえ




そのまま加速をして
一気に 二台の間をパスした




狂瀾のスピードは
メーターの文字から針がはみ出したり戻ったりを繰り返す




ほんの10数キロ



一旦気持ちをリセットするために

石川PAにバイクを滑り込ませた