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君の声に恋してる


27日はMotの誕生日


この何年か
確か今年で3年目

誕生日カードを送っている


きっかけは 以前に記事にもしたけど

Motが僕にとって 大事な人だと気づいた事と 彼女から個人的に年賀状が来て住所が判った事だった



それまでも メールのやり取りはしていた

誕生日のメールも欠かさなかった



住所も 最後に引越しした所は知っていたが それは10年前の事
まだ其処に住んでいる確証がない

後援会の住所は知っていたが それはそれ

何かが違う




まぁ メールで事足りていたのだ




でも 偶然重なった
年賀状と僕の気持ちの気づきは


今だよ


と 僕に囁いた



最初の時は 誕生日当日にメールをして
遅れてカードを送った


去年は忙しさで カードの発送が誕生日当日なり 翌日

「ありがとう」

と彼女からメールが来た


今年は 少し前から準備を始めた

カードを選ぶのは 楽しい
彼女の事を考え 彼女を想いメッセージを書き添える

メールには残らない
僕の痕跡を認める


棄てられてしまっても かまわない


それは Motが幸せだという事


僕からの一方的な
「おめでとう」
を贈る


それが僕の幸せ





準備を終えて 26日ポストに入れた










27日

まもなく その日が終わろうとする頃
メールの着信を携帯が知らせた


それはMotからだった


「今年は誕生日のお祝いメール来ないね
それ忘れる位幸せって事かな
それなら私はウレシイ」



彼女の真意は判らない


でも 何か
淋しい想いをしているのか
それとも ただの茶化しか


色々思いつつ
返信のメールを打っていると

再度 メールが着信した



「ごめん
今帰宅して カード受け取った

ありがとう」



もしかして 嫉妬?

それを訊く程の度胸は無い



「誕生日 おめでとう

親愛なる Motへ」


打ちかけたメールを消して
僕はメールを打ち直した

I LOVE YOUは ひとりごと


去年の記事を見直さないと
何年なのか 忘れてる


6年らしい



今年は大きなケンカを何度かした

もう 別れても良いと
覚悟の上での発言もした


だいたい

好きだとか なんとか言うクセに
僕のアイデンティティに関する事に干渉する


それって 本当に僕が好きなの?
僕は着せかえ人形じゃない

あなたが必要なのは
あなたの理想とする姿を体現してくれる僕の様なモノ


つまりは 現在の僕は嫌いなんだよね?





名古屋から連れ出した時ほど
彼女を護らなきゃ と思わなくなった


なんとしても
関係を維持しなきゃ と思わなくなった


何かを言われても
半分も聞かなくなった

聞かない事で 自己防衛する
これ以上 何かが擦り切れない様に



あるとき ケンカ中に僕は訊かれた

「本当に私の事好き?」

「もう何年も 好きだと思えてない」

なんて 応えは出来ずに
黙っていた



あなたが言われたい応えは知っている



そんな判りきった嘘
あなたは本当に 聞きたいのだろうか?



知らないはず 無いよね?





それでも
今日もきっと

一緒の空間で 共に過ごし
一緒に 笑い
一緒に 遊び


記念の ささやかな食事をし
お互いに

「これからも
ずっと一緒に居ようね
よろしく」

と キスを交わすだろう




話題:I LOVE YOU を訳しなさい

やさしい気持ち

「ランチをしよう」と 駅で待ち合わせをして娘とデートをした


「久しぶり」

そう言われて振り返ると
黒のライダース プリントTシャツに黒のデニムと モノトーンにまとめた美しい娘が 目の前に居た

ブルーのフレームの眼鏡が 良いアクセントになっている

「あれ?眼鏡…」

そういう僕に
へへへっと可愛く笑った

くそぅ 文句の付けようが無い
既にデレデレ親父の出来上がりだ


今日は口数を減らして 渋みを効かせようと思っていたのに

ぐずぐずだ


「お腹の空き具合は?
それ次第で候補を3つ用意したよ」

「それなり 減ってる」

「よし じゃ一番近い所にしよう
約束のバイキングじゃないけどね」

そう言って 車で15分ほどの オープンモールへ向かった



「ここ 来た事ある?」

「無いかも」

「そっか 良かった
って僕も5年振りかな」

そんな事で 案内板を頼りに店を決めた


想像していた量より 少な目だったが 美味しかった
お腹いっぱいになったのかな?

次は 遠慮なく食べてもらえる様に バイキングにしよう


話はつらつらと 近況報告やら 旦那の話

「この前 Kumと喧嘩したんだよ
結構な大ゲンカ」

そんな話をしたら 少し驚いた顔をしていた



幾つになっても ケンカは起こる
所詮は他人同士だから 折り合いがつかない事や 不満が蓄積される
ただの他人ならスルー出来る事が見過ごせない
されど 縁あって一緒に居る他人
四苦八苦しながらも なんとか やるしか無い

なんて 説教じみた事は言えなかった



だってそれが正しいかなんて 僕には判らないのだから



ただ 旦那と少しギクシャクしている娘の気持ちが 楽になってくれたらなぁ と思う


ランチの後のコーヒーも終わり 夕暮れ迫る頃

「そろそろ行こっか」

とモールを後にした



「近所まで送るよ」

と 車を出すと

「ゆうさんって 絶対娘に甘いよね」

と言われた



自慢じゃ無いけど
娘が居たら あれこれ服を買ったり お小遣い上げたり
母親に「甘やかすな」と言われても
「ママには内緒だぞ」と 甘やかすだろう

そして娘が

「今度の休み 会って欲しい人が居るんだけど」

なんて言われたら

「あー その日はツーリングだ」

とか言って逃げるだろう


更に 例えどしゃ降りの大雨でも

「ツーリングに行く」
って 困らせ


やっと会っても

「娘さんを下さい」
なんて言われたら

「ダメだ」って言う


大体 娘と言えども僕の所有物じゃない
どんなに彼女を想い どんな決意で一緒になりたいのか
そんな話をして欲しい


そして僕は

「君ならきっと 娘を幸せにする努力をしてくれるだろう
よろしく頼む」

って言いたい




言いたいんだけど…


その機会は う〜む






娘のアパート近くのスーパーで
車を止めようとバックしていると

「やっぱり上手いな」

と娘が小さく言った


聞こえないフリをしたけれど
内心 ガッツポーズ


嬉しかった




スーパーでさよならをしたけれど
既に暗くなった時間だし もう少し家の近くまで送れば良かったと
帰りの車で気付いた



時既に遅し



後で 無事に帰り着いたとメールを見て
安心した

イノセント

あれは 朝から台風が最接近した8月の下旬

朝の打ち合わせを終えて 駐車場に行くと
小さな猫が 廃れた花壇の雑草の中で
必死に泣いていた



レンガ造りのその花壇は 朝からの雨で 既に水が溜まり
子猫は なんとか水を避けながら 親を呼んでいる


1時間前に来た時には
鳴き声を聞いて居ないので

きっと 近くに親が居るだろう

そう思い そのままそこを離れて車に乗り込んだ


ラジオから流れる天気予報が 午後に向けて更に 雨と風が強くなると伝えている




1時間半ほどで 仕事を終えて駐車場に戻ると もう鳴き声はしない


きっと 親の所に帰ったな


僕は安心して会社に戻り 午前の仕事を終わらせる事にした


昼食の為に会社を出た時 なんとなく気になって花壇を覗く


安心したかった


子猫が居なくなってるのを確かめて
僕は安心したかった




でもそれは叶わなかった


そこには 逃げ場を失って
腰が水に浸かり 泣き疲れて震える彼が居た










「世話が出来ないのなら 拾うな」



僕が小学校の低学年の時に
目も開いていない子猫を拾って帰った時に母から教わった


正確には 犬猫飼育禁止の団地住まいで

「飼えないから 元居た場所に戻して来なさい」

だった


そして僕は その子猫を元居た場所に戻した


数日経って その場所を
居なくなっていて欲しいと 祈る様な気持ちで確認した


居なくなってるなんて 非現実的だと 子供なりに理解していたけれど
現実は 更に酷たらしかった






僕が捨てて 殺した










その時の罪滅ぼしとは 言えないが
僕は 今こうしている猫を 放っておけなかった


直ぐに車に乗せて 家に連れ帰ると

温かいシャワーで全身を綺麗に洗い ドライヤーで乾かし
バスタオルに繰るんで 様子をみた

相変わらず震えているが 少しずつ落ち着き

夕方には うたた寝する僕に寄り添って 一緒に眠った



その晩 帰ってきた妻に事情を話し 2人で飼おうと決めた


名前は 拾った日にちなんだ名前にした



猫好きの友人から 猫用ミルクを用意するように アドバイスされ

翌朝 与えると
元気よく飲み干してくれた


その日は
買ったおもちゃに見向きもせず コンビニ袋で夢中になって遊んでいたのが 可愛かった



明々後日から新婚旅行の予定だったが 彼を一人で留守番させる訳にいかず
旅行を諦めようとしていたのだが


その後2日間
問題なく 元気に過ごしている事を聞いた 件の友人が 好意で彼を預かってくれて

僕等は旅行に出発した





3泊4日

旅行から帰り お土産を持って友人宅に行くと 彼は衰弱しきっていた


預けて2日目の夜から 食事をしなくなり
獣医に栄養剤と補水の注射をして貰っていたが 回復できず


再会した時は ほんの僅かに頭を動かし

にぃ…

と短く鳴いただけだった



動かすのはキケンと 友人に託して 帰ったが
その晩の内に

「息を引き取った」

と連絡が入った




キジトラのとても器量好しの 可愛い子だった


最初の晩
僕の腹の上で コクリ コクリと香箱座りで眠る 彼の事を
今も覚えている

MR. RAINDROP



初めて貰ったバレンタインチョコは 中3の時だった



女子部の同級生 Kasさん
ちょっと風変わりと噂の娘だった


子供故に 先入観があり
しかも 公然と渡されたチョコは 好奇の目に曝された



今考えると ああなる事は判っていたのに
実行に移した彼女は 立派な人だ



とは言え その当時にそこまでの思慮は出来ず
囃され 茶化され 散々弄られた




でも 僕は不思議と嫌な気はしなかった


だって 僕自身
初めての経験で 噂通りに風変わりではあったけれど

自分に好意を抱いてくれている人に
興味を持ったからだ




そして そのチョコ





HERSHEY'Sの板チョコ1枚







食べるのが勿体無かった様に 記憶している





包装もなく ただ手渡されたチョコの 包みと銀紙の間に
手紙が差し込まれていた

「Kasです ゆうさんの事が好きです」

たったそれだけ



僕は その手紙に何と返したのか
もう忘れてしまった



それでも
しばらく手紙のやり取りをした記憶がある

彼女の目指している夢や 考え方
意外なことに 自分自身が周りから 疎まれている事を
冷静に 自分なりに分析していたので驚いた



そして ある程度
お互いに語りつくすと 話題に困るようになり始め

いつしか 手紙のやり取りが終わってしまった



僕がそのHERSHEY'Sを食べたのは
その頃だったと思う


実際にどこかへ 一緒に出かけたり
直接話す事もほとんど無いまま

彼女との恋は終わった





その後 彼女は

高校の時に付き合い始めた 僕と同じ姓の先輩と
短大卒業後に結婚した



僕は

もしかしたら 彼女は実は今でも僕のことを?
なんて バカなことを想像してみたが



誰に訊いても

「偶然だよ」

と言われた





んなこと 解ってるよ


結局 初めてのチョコは
ほろ苦く 粉っぽい味だった

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