真夏のバイクは ことの外危険だ


外気温32度
路面温度46度

直射日光を浴び
周りの車の排熱を受け

足下には 部分的には数百度になろうかという エンジンを抱え込んでいる



数百度は 大げさか…




走っていれば 涼しいんでしょ?

と言われる


ところが 汗をかいていないと その涼しさを体感する事はない


熱く乾燥した空気は あっという間に汗を乾かす

気づけば 身体は汗を止め 軽い脱水症状に陥る



朦朧とする意識を保とうと 速度を上げれば
視界が狭まり 判断力が低下する


そんな時は 休憩するのが一番

木陰にバイクを寄せたら 自販機でお気に入りのスポーツ飲料を買って 一気に飲み干した



さて もう一寸で目的地のモールだ


エンジンに再び火を入れて
バイパスに躍り出た


相変わらずの 灼熱地獄だが
広がった雲で 直射日光が遮られて いくぶん楽に感じる


疎らな車の間をぬって バイパスを行くと
あるポイントで 空気が3度位 冷えた
舞い上がったコンビニ袋が 足早に道を横切る


びゅっ

っと 横風を食らった瞬間
大粒の雨に襲われた


300メートル先に トンネル

右側に黒い雲



このトンネルは 途中で左にカーブするから

あそこまでたどり着けば 雨から逃れられるはず



前方はクリア


ギアを2つ落とすと アクセル全開


ヘルメットに当たる雨粒の音を数えながら 僕はトンネルに突入した













トンネルの先には また灼熱地獄が待っていた

ずぶ濡れになった方が 涼しかったかもしれない






暑さに慣れた身体に モールのエアコンは あまりに寒かった