スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

『近すぎると怖い、離れても嫌。』

大きく見開かれた瞳、けたけたと楽しそうな笑い声、そこに隠しもせず存在する彼女の闇。戦闘の場でヘカーテを見る度に、アレスは背筋が粟立つ感覚を覚える。かつて戦場で、そして現在も同じような狂気を抱えた者と対峙する事はままあった。だが彼女へ抱く感情は彼らとは異質なものだ。
仲間と共に眠るヘカーテをぼんやりと見下ろしながら思う。焚き火に照らされる彼女の寝顔は、仕事の最中だというのにあまりに穏やかだ。アレスはおずおずと頬を撫でる。内気で人見知りな普段も、冷静に参謀の役割を担っている時も、もちろん戦闘の場にいる時も。全てが同じ彼女なのだという事は分かっている、だからこそ怖気立つのだろう。
今以上に近い関係になれば、きっと恐怖は現在の比ではないのだとは思う。アレスはそれでもこの距離が縮まればと夢想する。 彼女は自分の事など微塵も想ってくれてはしないだろうが。
continue...

創作メンツ私服C

ラスト!
第四弾は最年少ジェーニャと自称乙女のマリーです。この2人は少し個性的

ジェーニャ→ルパシカとサラファンのようなもの(要は刺繍の入ったブラウスとチュニックワンピース)。丈は膝下で、やや短め。髪にはカチューシャをしてみたり、編み込んでみたり、花をさしたり。

マリー→露出面積最多。襟ぐりの深いブラウスに膝下丈のオーバードレス。胸は詰め物で形を整えている。八割バレない。

創作メンツ私服B

告白すると、第二弾以来すっかり私服シリーズを投稿するのを忘れていました。という訳で第三弾は同期の2人です。

バロン→出自によるものか、アレスよりは少しだけ上等な生地を使用。遊び人のアレスよりはデザインは落ち着いたものです。普段使いだし。
レオナ→白の足首丈ワンピース+オーバードレス。髪型や装飾品、オーバードレスなど年頃の女の子らしく流行に気を使っています。

ちいさな日常のはなし

話題:創作小説

「ガロア。何か悩みでもあるんですか?」

ある日突然ヘカーテが尋ねてきた。
彼女の仲間もいれば屍に話し掛けるのかと不審に思うかもしれないその行為。だが幸いな事にこの部屋には今、ガロアとその主であるヘカーテしかいない。ガロアは首を傾げた。思うようにならない、潰れた声帯を酷使する代わりに。

「他の皆には分からないでしょうけど、私には分かるわ。何を悩んでいるんです?」

長身の従者を側近くから見上げる。死屍と会話を試みる、あまりにあり得ない行動であるがその瞳に揺るぎはない。ただ、翠玉のように綺麗だった彼の両眼は二度と見る事ができないのだなと、ヘカーテはそれだけを残念に思った。

「……事情を知る皆にはあなたの事をゾンビだって説明しているけど。あなたは屍よりは生きている人に近いと思うの」
だって意のままに動けるし、宿っている魂だってあなた自身のものでしょう。そう呟いて、微笑む。自我もあり自由に動く事のできるガロアが生きている「ひと」と何が違うのかと問われれば、それは血管を流れる赤いものが血ではなく、臓器も止まったままだという、それだけの事だ。若い外見のまま朽ちる事のない彼こそが金満家達の夢見る「不老不死」の姿なのではないかとさえヘカーテは思っている。
「だからね、遠慮しないでぶつかっていけばいいんですよ。好きな人ができたんでしょう?」

笑みを含んでヘカーテが尋ねると、あまり突然に本質を突かれてかガロアは少し身じろいだようだった。そういうところが分かりやすいのだとからかわれ、また彼は後ずさる。戯れるようなやりとりをしばらく続けた後、ふいに、ヘカーテは優しく微笑する。

「誰を好きなのかは聞かないけど応援してますよ。あなたとは長い付き合いだもの」

どうやら本気で応援するつもりでいるらしい。自分に向けられている好意には気付こうとしないくせにどうしてこう、他人の恋には敏感なのだろう。そして彼女に応援されたところで、生者に近いと彼女のお墨付きをもらったところで、所詮は死した身なのだ。それは彼自身も痛い程に実感している事だった。
これから先の厄介事が思いやられると、ガロアは痛むはずのないこめかみに手をやった。
continue...

聖騎士二人、の続きはサイトの方へ

タイトルの通りです。
聖騎士と魔術師〜聖騎士二人、それ以降の出来事をまとめました〜
<<prev next>>
 
カレンダー
<< 2014年11月 >>
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30