この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。
ログイン |
「お前は異端についてどう思う」
中心街を少し外れたパブの片隅。エールのマグを弄びながらガロアはぽつりと呟いた。絡み酒なんてらしくないな、と正面に座る男が笑う。灰色の髪の彼はガロアの同期の騎士で名をレナードという。
二人の属する聖騎士団の本来の目的は教会の警護であったが「帝国」内の「教会」の権力は絶大だ。時代を経ていくうちに異教徒から信徒を守る為の国家防衛、異端な信仰を持つ野蛮な他民族に神の教えの素晴らしさを説く為の領土拡大、などといった役割も担うようになっていった。彼らはその四ヶ月の防衛任務を終え、本来の配属先であるこの町へ戻ってきたばかりであったのだ。
共に酒を呷り、踊り子の誰が可愛いなどと品定めをする。
蛮族達が竜を乗り回していたのは正直かっこよかったとか、彼らの英雄といつか自分も闘えるだろうかとか、基地の隊長がねじ曲がった性格をしていたのは辺境という土地柄のせいだろうかとか、全て語り合えるのはお互い生きていてこそだ。
そうしてたわいもない話をし、夜も更けて酔いが回ってきた頃にガロアが吐いたのが冒頭のあの言葉であった。
「ふむ…異端は、一つは他教徒だよな。今回北方で小競り合いしてきた奴らのような」
「そう言えばマルグリットが彼らの神話を研究してたか」
「口承されてきた信仰が廃れずに続いているのは純粋に凄いし、俺らの神の教えを説くのに何かヒントになるかもしれないな。ーーで、異端のもう一つは神の教えに反しているような奴ら。聖書の解釈が中央と違うくらいなら罰金か下手しても国外追放くらいで済むだろう。…でもご存知の通り、悪魔信仰や死霊術は文句なしに死罪だ」
立てた親指を首を掻き切るように動かしレナードは言った。普段よりも饒舌になっている彼は親友の喉がごくりと動いたのには気付いていない。
「……死霊術は俺らの信仰でなくても禁忌だろ。エルフや、蛮族でも」
「そりゃそうだろうな。長寿のエルフがわざわざ死霊術を使うかどうかはさておき、死者を操ろうなんて人知を超えてるよ。どうかしている。異教徒の神話でも、死人を蘇らす事ができるのは神と相場が決まっているだろう」
「レナード、お前」
「?」
「話長いな」
目の前の長髪はいい標的だ。放っておけばいつまでも続きそうであった講話を終えて、レナードはガロアの長い黒髪の先を強く握り口角を引き上げた。ガロアは慌てて謝り、追加の葡萄酒を二人分オーダーする。いつもの光景、いつもの酒の席だ。
更に酒を浴びるように飲み、酩酊し、すっかり正体がなくなってきた頃。そう言えば、とレナードは意味ありげな薄笑いを浮かべた。
「明日は例の魔法学院に行く日だったか、ガロア」
「あー…久しぶりだし行かないとな」
机に突っ伏したままでガロアは応える。
「前に言ってた女の子とはその後どうなんだ?仲良くなった子が学院にいるって言ってただろう、お前」
「どうなんだって、別にいい友人だよ。お互いに恋愛対象じゃないからな」
「なんだつまらん」
「お前が良ければいつか紹介するよ。…『少し』変わってるけど。悪い子じゃないから」
そう、彼女は決して性根から悪い人間ではないのだ。ただ一時の気の迷いで道を誤っているだけだ。明日会う時には正しい道へ導く事ができればいいのだが。
脳裏にぼんやりとそんな事を考えながら、ガロアの意識はそこで、途絶えた。
ガロアとレナード(バロン兄)の小ネタをだらだらと書いていたんですが、なかなか本題に辿り着かないのでもう一度構想を考え直してみました。
呉南の推しメンは西のカチューシャこと里崎君です。
里崎君です。
いえね、もちろん東村君の理系男子っぷりも好きだし塩野君のごつさも鍛えている証拠だしホクロは名前がないし待宮は胡散臭いし井尾谷は麗子像だしでみんな思い入れはありますけども!
しかし推しメンは断固として里崎君です。呉では。
…2年目インターハイ再登場、こっそり期待しておりますよ。
まあ、これだけ喚いていても一番好きなのはやっぱり巻ちゃんなんだなぁとは常々思うわけですが。描きにくいですけどね巻島先輩。描いても描いても気に入らねえのはたぶん好きすぎるからだという結論に至りました。自家発電しなくても素敵な漫画や小説が日々増えていく環境というのは人間を堕落させますね………。
練習頑張ります。
性 別 | 女性 |