スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

水槽 / 50000Hit企画文章

5分の1の感覚器官で始まる物語、

視覚に入り込む、触れない幻

掴もうと手を伸ばせば、指の隙間から逃げる水槽のなかの水泡。

それと共に逃げたオレンジ色の死体、それはいつかの僕のようで

――ああ、そうだ。如何して僕はこんな処に居るのだろう――

もう何も覚えてなんかいない。ただずっと終わりを待っているんだ、

遥か昔感じていた光達がいつしか滲んで、水槽の底に茶色い水溜まりを作るまで。


遠くでワルツが聴こえる

青い鳥のコ-ラス

重いざらつきの広がる口内、

苦い鉄の味

終曲を匂わせて上がる水温、

始まりに向かうわずかな鼓動

名も知れぬ花が咲いたなら、

僕は小さく囁く 「アメ-ジン」

――終わりの始まりまで、あと5秒
more...!
prev next