そして、

体を重ねた。




けんちゃんの香り、

体温、

感触を

忘れないように体に染みこませたい。

いつでも思い出せるように…



本当に、

何故別れなきゃならないのか分からないくらい、
いつもと何ら変わりない二人だった。






そろそろ終盤に差し掛かった頃、
あろうことか涙が溢れだした。


やだ…
けんちゃんがこれから、って時に。
興ざめしちゃうじゃない。



けんちゃんは動きを止めて、
手で 私の涙を拭った。




『大丈夫ですか?』

『うん、  続けて。』



(あぁ、

もう終わっちゃう )




フィニッシュを迎えた彼は、
いつものように優しくkissをして、


私の胸元に顔を押し付けて、



そして泣いた。




(なんで、
けんちゃんまで泣いてるんだろ?)






私達は、

恋人じゃなくなった。




けんちゃんも

私も


誰のものでもなくなった。




今日から自由だ。



不思議と、

苦しみから解放された気がしたの。




『けんちゃん、

抱いてくれてありがとう。』



ちょっとだけ、 笑顔になれた。