三浦春馬さん主演、行定勲監督の映画『真夜中の五分前;'14』が10/3、【くまもと復興映画祭2020】が開催中の熊本・熊本城ホールで上映され、行定監督が春馬さんの思い出を語った。
本作は本多孝好氏のベストセラー小説を映画化した日中合作の恋愛ミステリー。春馬さんは、双子の美女(リウ・シーシーが1人2役)と出会う、時計修理工の青年リョウを演じた。
行定監督は「日本を舞台にしたかったが、成立しなかった。本多さんに外国でやっていいかと許可を取って、プロットを書き直し、釜山映画祭の企画マーケットに出したら、上海の会社が出資して決まった。三浦春馬は『東京公園』での繊細な感じがよかったので、やってみたいと思った。会ってみたら、出来すぎの好青年で、繊細。ガラス細工のようだった。精密機械を扱うのはふりでよかったのに、勝手に修行に行って、本当に改造できるくらいまでになった。手の動きが美しかった」と振り返った。
北京語の発音についても「全部の発音においてパーフェクトだった。『そんなに語学ができなくていいよ』と言ったのに、ものすごく打ち込んだ。努力家というのもあったが、天性の才能もあった。精密な俳優。自分らしく、ではなく、まずは実直に正確にやることから始める」と評した。
13年に行った上海でのロケはトラブルの連続だったそうで、「借りていたレストランが『この金額では貸せない』と言い出したり、公安の人が『この道ではできない』と言ってきて、中止になるわけです。中国の女優リウ・シーシーは慣れっこだったが、三浦春馬は壁の隅で静かに見守ったり、通訳の人と中国語で会話して、本番になると、カメラの前で確実にベストの演技をしてくれた。この映画においては相棒のような存在だった」と振り返った。
今回の『真夜中の五分前』上映はスクリーンで見たいという声に応えたもの。行定監督は「天国の三浦春馬も喜んでいることでしょう。残したことは永遠に残っていく。スクリーンでみんなと見るのは違う。共鳴し合っている。ここでかけられたことを感謝しています」と結んだ。
【えがおPRESENTS くまもと復興映画祭2020】は、10/4まで熊本城ホールで開催される。
行定監督には何年か前に別の作品の舞台挨拶付上映会でお会いして、ティーチィンで質問する為に手を挙げたら当てられ質問させて頂き、その後サインを頂き、記念撮影、会話や握手もさせて頂いた初めての監督です。行定監督、質問の返答にも真摯で、とても優しくて、直接お話したら気さくで素敵な監督でしたよ。
[真夜中の五分前]は好きな作品ですが、他の作品にはない不思議な魅力を持った作品。日本じゃない土地柄や、違う言語等が、そういう観た事ない魅力の生むのかもしれませんね。
今沢山の方がこの作品に触れて下さっていますね。本当に素敵な作品ですので、まだ観た事ない方にも是非観て頂きたいですね。