永遠の愛を、今誓う
第六章(総司)


 なんて残酷な言葉。

それは、【彼】への愛の告白なんかよりももっと、僕の心をズタズタにした。

「殺してください……そして、共に死にましょう」

 ベッドの上で。はじめくんは見たこともないような笑顔をして、僕に言った。
 大好きな君を……この手で殺せと。なんて、恐ろしい。

「そうすれば、俺たちの愛は永遠です……

 違う……。そんな永遠を、僕は望んだわけじゃない……
 僕はただ、君と共に――……

「そうでしょう……? 土方さん」
――――……っ!」

 違う……僕は……僕は、土方さんじゃない……

僕は、君を愛してる。ひとりの人間として……沖田総司として。
 

僕には……はじめくんを、殺せない……

……っ、はじめくん……!」

 僕は彼を腕に抱いて、ぼろぼろと大粒の涙を流した。
 止まらなかった。堰を切ったように溢れだして……僕にはもう、止められなかった。彼への想いも、冷たく頬を伝い落ちる、この幾つもの滴たちも。

 僕は…………君が、好きなんだ。

 泣くだけ泣いてしまったら……全ての水分を出しきったように、僕の心も、身体すでに枯れ果てていた。
 窓の外では、小鳥たちが朝の始まりを告げている。

 ……そうして僕は、わかってしまった。僕の決意に……この、歪んだ愛に。すでに、限界がきているということを。

 ――――愛しているよ、はじめくん。
 その気持ちは僕の中で、永遠に揺らぐことはない。この先ずっと守り続ける。僕の、生涯唯一の愛。
 だからこそ、僕は……君の元を、去っていくよ。

―――第六章()―――