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本当の名前 ※薔薇…?

とある町のとあるスーパーに、緑の髪の少年と紫の髪の青年が居た。
二人が睨むように見つめている先には………

『これであなたも長身!?当店オリジナル特製栄養満点食!!』

…と書かれた新商品。





「……ギルさん」

「却下」

「まだ何も言ってないっスよ!?」

「これ買っていいかって言おうとしたんだろ。却下」

「なんでっスか……」

「怪しい事この上ねぇからだよ。だから却下…いや、やめとけ」

「で、でも身長っ」

「よく見ろ。『摂取後に何かあっても保証しません』って目茶苦茶小さく書いてあんだろ。100パー危ねぇだろだからやめとけ」





ズバリと切り捨てて歩みを進めるギル。
翡翠は名残惜しそうにその場を離れ、ギルの隣を歩く。





「うぅ…もしかしたら伸びたかもしれないのに……」

「……俺の知り合いがアレ食った事がある」

「え?」

「アイツも身長伸ばす為に食ったらしいが………………味がトラウマになったらしい」

「え」

「あのキャッチフレーズを見るだけで吐き気がするくらいに」

「……ギルさん…俺、地道にカルシウム摂ります…」

「ああそうしろ、むしろそうしてくれ」





言いながらギルは「確か牛乳きれてたな…」と呟きながら買い物を進める。
翡翠もそれに続いて歩みを進めた。






**************
「今日も暑ぃな……」

「最近急に暑くなったっスよね」





言って、翡翠は眩しいくらいに晴れた空を見上げた。
青い空を白い雲が流れ、陽射しは初夏を思わせるくらいにさんさんと降り注ぐ。

もう夏みたいだな…と思いながら、翡翠はふとギルの手に視線を落とした。





「……ギルさん、やっぱ俺も持…」

「いいって。これくらい」

「でも買物袋全部ギルさんが持ってるじゃないスか……」





ギルの手には合計3つの買物袋。
牛乳や野菜等、それなりに重いものが入っている。





「お前仕事終わったばっかで疲れてんだろ」

「それギルさんも同じっスよ!」

「俺はいいんだよ、全然疲れてねぇし」

「でもなんか申し訳ないっつーか何か手伝いたいっつーか…」





言って、また買物袋を見る翡翠。
ギルは少しの間考えた後、翡翠の頭を撫でた。





「わっ!な、なんスか?」

「気持ちだけ有り難く受け取っとく。だから気にすんな」

「でも…」

「どうしてもっつーなら、代わりに家に帰ったらコーヒーでもいれてくれ。それもちゃんとした手伝いだろ」





言いながら翡翠に微笑むギル。
その微笑みは愛している者だけに見せる、優しい微笑みで。

翡翠はその微笑みに自分の顔が赤くなるのを感じながらも、確かに頷いた。


そんな翡翠を「可愛い奴」と小さく笑いながら、片手に買物袋をまとめて持ち、空いた手を翡翠の手と繋いだ。





「え、ちょ、ギルさっ…」

「今更照れんな。どーせ誰もいねぇんだから少しの間くらいいいだろ。…それとも嫌か?」

「い、嫌じゃないっス!!全然!!!!」





力いっぱい否定する翡翠にまた小さく笑いながらも、ギルは翡翠の手を握り直す。

翡翠も照れながらもギルの手を握り返した。


















「……アイギス様……?」





ふと背後から聞こえた、声。
振り返ると、そこには執事服に身を包んだ初老の男が立っていた。


少し強い風が、二人を通りすぎた。









**************
なんか書きたくなったSS
続きは出来たらUPります…!!

速見様、翡翠くんお借りしました!
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