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仏?いいえ鬼です〈共演チュウ〉



焔「海理ー!七瀬の所行ってくっから留守番よろしくー!」


海「待ちなさい(ガシッ)…朝頼んだ書類は出来たんですか?」


焔「…帰ったらちゃんとやるって♪」


海「今すぐやってください、子供の宿題じゃないんですよ!?全く…ここならともかく、あちらの方々にもご迷惑をおかけしているんですからもう少ししっかりしてくださいよ」


焔「迷惑なんかじゃねぇって!七瀬には俺と沙羅々の惚気話聞かせてるだけだっ!」


海「惚気話ではなく妄想話です。じゃあせめて麓水晶で菓子折りでも買って…」


焔「ええー?いらねぇって!海理はそういう所が古臭いというか爺臭いよなー」


海「(ピキッ)貴方に礼儀が無さ過ぎるんですよ。この街だって貴方の働き次第でもっと素晴らしくなるはずなのに…」


焔「俺は俺なりにやってるさ!海理がちゃんと見てないだけだろー!」


海「(ピキキッ)そうですね、僕もそうしたいのは山々なんですがいつもいつも貴方が脱走してるせいで見れないんですよね」


焔「だってここにいたって沙羅々も七瀬もいないから面白くないし海理はうるさいし仕事も大量にあるから嫌なんだよなー」


海「…………」


―ブチッ


焔「ブチッ?…Σはっ!やばい!」


海「仕事を大量に溜めてるのは自分の責任でしょう?それを他人のせいにして言い訳するなんていつから貴方はそんな人間になったんですか?それにさっき俺なりにやってると言いましたが、やってるんでしたらちゃんと見せてください。見えない所でやられても全然わからないんですよ特に貴方の場合は」


焔「ま、待て海理!落ち着…」


海「黙れシメるぞ」


焔「Σすいませんっしたぁぁぁぁ!!」


海「大体貴方は周りの優しさでわがままが言えてるってわかってるんですか?僕も幼なじみでなかったら貴方なんか…――――」









――――…


焔「よぉ七瀬…」


七「!…お、遅かったじゃねーか。べべ、別に心配してた訳じゃないからな!お前に何かあっても俺には関係ねぇし?」←部屋から出てきた


焔「あぁ、うん…そうだな。誰も俺なんかの心配なんてしないよな…」


七「!?お、おい…!?」


焔「いいんだ…ごめんな、七瀬の気持ちも考えずに馬鹿な話ばっかりして…これ、今までのお詫びって訳じゃないけど俺の子供達がやってる菓子屋の菓子折り。これからはあんまり迷惑かけないよう大人しくするからまた遊びに来てもいいか…?」


七「え、あ、う…?(ななななんでこんな落ち込んでんだよ!?お、俺なんかしたっけ…!?)」












――――…

シムちゃん宅の七瀬さん達の小咄で焔が中々来ない〜ってのを見て思い付いたネタ

普段は胃痛で悩まされながらも自由にさせてる海理ですがキレたら怖いです(^O^)
超ポジティブの焔がここまで落ち込むほど怖いです
七瀬さん不安にさせてごめんね…でも一週間もすれば元に戻るから←

シムちゃん、七瀬さんお借りしました!

ハツコイ〈後編 ※薔薇〉



「なんだよ話って」


昔の夢を見て思い出した俺は、翌日すぐに豊を呼び出した



「話っていうか…昨日会った子の事色々教えてほしいんだよ。名前とか、趣味とか…」


「え…お前あの子の事好きになったのか!?チャラ男のお前が人を好きに!?」


「豊、そんな言い方されたら流石の俺でも傷つくわ〜」


「いやだって、なぁ…まさかあの薙が…」



信じられない、とブツブツ呟きながら俺を見る豊
まぁ確かに俺自身も信じられないけどね


でも…好きになったんだ
あの子の嬉しそうな笑顔に、一目惚れしたんだ




「なぁ、なんで好きになったのか一応理由聞いてもいいか?」


「んー…実はあの子と会ったの、昨日が初めてじゃないんだよねー」



俺はあの出来事を豊に話した




「なるほど…事情はわかった。けどあの子…翡翠君にはもう恋人がいるぞ。前紹介した時俺言っただろ?」


「あー…そうだったっけ?じゃあ略奪?」


「アホか!そんな事したら翡翠君が悲しむだろ!常識的に考えろ!」


「こんな仕事してる俺らが常識的に考えてもなぁ…」


「こんな仕事でも、俺達にだって恋愛する自由はあるさ。だから力で抑えつけたり一方的に気持ちを押し付けても傷つくだけだ。相手も自分もな」



そう話す豊の顔は、普段の姿からは想像もできない程真剣だった




「ま、フラれるのは確定だけど好きになっちゃったなら仕方ないよな。後悔だけはすんなよ!」


「おーい」


しかしすぐに笑顔になり、茶化しつつも応援してくれる豊に俺は少し感謝した












――――…


「後悔だけはすんなよ、か………あ」


豊と別れた後、俺はピタッと止まり重大な事に気付いた


「…あの子の事色々聞くの忘れてた」



せめてどこに住んでるのか知っておかないと後悔もへったくれもない



「しゃーない。もっぺん豊呼び出して聞き……ん?」


声…?あっちの方か?



「…………(ダッ)」



気がつけば、俺は走り出していた
あの時と同じように…






「っ!離せっ!」


「いーじゃんいーじゃん」



目的地に着くと、そこにはあの子…翡翠が男に絡まれていた



「ちょっとだけでいいからさー俺とお茶しようよ。ね?」


「ふざけんな誰がお前なんかと!」


「気が強いなーまぁそんな所も可愛いけど」


男はそう言って翡翠の腕をより強く握り、引き寄せた



「ちょっ…」


「はいストップー」



…しかしそれを俺が見逃すはずがなく、翡翠の肩に手を回し男の方へ引き寄せられるのを防いだ

腕を握ってるだけでもムカムカしてんのにこれ以上触らせてたまるか!…なんて、恋人でもないのに身勝手な事考えてる時点で俺もこいつと同類か…




「あ?なんだおま……!あ、あんた…!」



男はナンパを邪魔した俺の顔を見た途端顔を青ざめすぐに翡翠の手を離した



「俺の事知ってんだ?じゃあもうわかるよな。この子は俺の大事な子なんだ。もし手出ししたら…」


「し、しません!もう二度とそいつには近付きませんから!」



そう言うと男はこちらの返事を待たずに早足で去っていった
あんだけ怯えてりゃもうナンパなんてしてこないだろ




「す、すみませんありがとうござ…あれ、あんた豊さんの…」


「お、覚えててくれてたんだ。しかし危ない所だったなーまぁああ言っとけば今後ナンパされる心配はないと思うから安心しなよ」


「豊さんもそうだけどあんた一体何者なんだよ…」


「んー…内緒。あ、それより手回してごめんなー知らない男に触られて気持ち悪かっただろ?」


「いや、俺を助けるためだったんだから別にいいっスよ。そうだお礼しないと…」


「え、いいよお礼なんて」


「駄目っスよ!助けてくれた人にはちゃんとお礼しないと…あ、あった」



お目当てのものが見つかったらしい、自分のポケットに突っ込みガサゴソと探していた翡翠が取り出したのは…





「…あ、め…――――」


「俺、今こんなもんしか持ってないんスよ。すみません…」



あの時と同じ、可愛らしい包装紙に包まれた飴だった




「…やっぱ男の人は飴なんて食べないからいらないっスよね」


「あーいや、全然平気。むしろ俺飴大好きだから」


「そうなんスか?よかった!」





―トクンッ トクンッ





心臓がうるさいくらい鳴り響く



もしかしたらいけるんじゃないかって…



豊が忠告していたにも関わらず、奪ってしまえばいいんじゃないかって考えてしまった



だってもし、彼の恋人が彼の事を大切にしていなかったら?もし、彼を傷つけていたら?



なんて、都合のいい言い訳ばかり思い浮かんでしまう






「な、なぁ…(ハッ)」


「?」



だけど、それはやっぱり俺の空想に過ぎなかった

彼の左手の薬指に綺麗な指輪がはめられているのが…見えたから




「…結婚、してんだ?相手はどんな奴?」


「え!?あ、結婚、というか婚約というかえっと…////」


質問すると顔を真っ赤にして俯いてしまった



「ち、ちょっと意地悪な時もあるんスけど、いつもは優しくて俺の事大事にしてくれるし、一緒にいるとドキドキが止まらなくて…だから、この指輪をもらった時はすごくすごく嬉しかったんス…////」



ボソボソと、だけどしっかり答えてくれる辺り、彼が相手の事をどれだけ想っているのかがわかった

それと同時に、彼の心に俺が入る隙なんて全くない事も




「も、もういいっスか…?////」


「あぁ、いいよー変な事言ってごめんな?あと…もう一つだけ、お礼してくれない?」


「え、もう俺何も持ってないっスよ?」


「大丈夫、大丈夫。キミはじっとしてるだけでいいからさーじゃあいくぞ?」



―ギュッ



「…!?」


答えも聞かずに俺は彼を…抱きしめた

それと同時に頭の中でカウントダウンを始める



「…………」




3…




「ちょっ…」




2…




「……ごめん。もう少し…もう少し、このままで…」




1…




「…ん!これで思い残す事はなくなったわ、ありがとな。んじゃ、気をつけて帰れよー」


彼の頭を一撫でし、俺は振り返らず立ち去った



「な、なんだったんだ……?(でもあの人に撫でられた時、なんか懐かしかったような気が…)」
















「あー…(パクッ)」





彼からもらった飴は



あの日 あの時 食べた飴と同じ



どこにでもある 普通の味なのに



どうしてだろうか




「…しょっぺ……」




少しだけ 涙の味がした…――――
















サヨナラ 俺の初恋






――――…

はい薙の失恋話でしたぁぁぁぁ!!!!
後半も結構長くなりましたすみません←

大体の流れは考えていたのにそれを文章にしていくと長い長い
しかも会話文だけじゃなく普通に小説っぽく話を書くのは久々だったのでもう悪戦苦闘でした

多分文としておかしい所はあるかと思いますがそこは生暖かい目で見逃してやってください(殴)

ハツコイ〈前編 ※薔薇〉



あの日 あの時 食べた飴は


どこにでもある 普通の味なのに


どうしてだろうか


その日から 飴が好きになった…――――










「貴方っていつも飴食べてるわよね」


情事後、ベッドでくつろいで飴を食べていると隣にいた女がそう言ってきた



「あー…俺飴好きなんだよね〜なんでか知らないけど」


映画やTVとかだと男がよくタバコ吸ってたりするが、生憎俺はタバコは好きじゃない。一応これでも健康には気をつかってるんだぜ?




「ふぅん…ねぇ、それよりもう一回…」


妖艶に微笑みながら女は俺の腰に手を回すが…



「…悪ぃ、俺もう帰るわー」


もうそんな気分じゃなかった俺は女が文句を言ってるのを聞き流しながら早々に着替え、部屋を出た











――――…


「ん?あれは…」


特にする事もなく街をぶらぶらしていると、見覚えのある蒼色の髪が前から見えた



「あれ?薙じゃん!」


「よぉ豊、久しぶり〜」


そいつも俺に気付いたのか、驚きつつも笑顔で声をかけてきた

隣に黄緑色の髪と黄色のアホ毛が可愛らしい男の子を引き連れて




「あれ〜?豊の恋人って確か水色の髪って言ってなかったっけ?何、白昼堂々浮気?」


「違うわ!俺の恋人はヒロだけだっつーの!この子はヒロの仲間の恋人だよ。さっきそこで偶然会ったんだよなー」


「いや、なーって言われても…」


豊に話を振られるも困り顔で彼は答える




「そういうお前は何してたんだよ?仕事…って訳じゃなさそうだけど」


「オフで暇だったから女の所行ってた〜ま、今から帰るけど」


「…お前人の事言えねぇじゃん」


「ははは、そうかもな。んじゃー俺行くわ。豊、えーとキミもまたね」



ジト目で睨む豊と、どうしていいのかわからず若干オロオロしてる彼にひらひらと手を振り俺はその場を後にした






その夜、俺は夢を見た
自分自身も忘れていた昔の夢を…



















――――…


「ふわ〜…」


眠ぃ…最近街にごろつきがうようよしてるから事件起こす前に防げってボスに言われたけど帰ろうかな〜…



「……ん?」


声?マジカルドラッグの方か…?


「はぁ、めんどくせぇけど行くか…」







「離せよっ!離せ!」


「おいおい、ぶつかっといて謝罪の言葉も無しかよ。そりゃないぜ坊主」


「そっちが勝手にぶつかってきたんだろ!俺は悪くねぇ!」


「生意気だな〜まぁ俺達に捕まったのが運のツキって事で」


「いい所に連れてってやるよ。なぁに痛いのは最初だけさ、すぐに気持ち良くなる」


「…っ!!」



声が聞こえた方に行ってみると二、三人のごろつきが黄緑色の髪と黄色のアホ毛が可愛らしい少年を取り囲むように下品に笑っていた

…しょうがない、ボスの命令だし助けてやるか




「はいはーい、お兄さん達ー痛い目にあいたくなかったらその子離してどっか行った方がいいよー」


「あ゙ぁ?」



俺が話しかけると男達は睨みつけるようにこちらを見た



「なんだてめぇは?」


「お前には関係ねぇだろ」


「関係ないけど、あんたらみたいなのにこういう事されると俺達のボスが怒るんだよね〜って訳でおとなしく帰った方が身のためだぜ?」


「なんだと!?」



俺の言葉に腹が立ったのか男の一人が殴りかかってきた



―ヒョイッ



「はっ!」


「ぐあっ!」


けど俺はそれをひらりと避け、男に一発ぶち込む




「このっ…」


「調子にのんなっ!」



残りの男達も加勢にやってきたが…さっきの男同様、一発ぶち込むとすぐに倒れこみ、それぞれ体を支えながら「覚えてろよ!」などと何処ぞの下っ端みたいな捨て台詞を吐きながら去っていった








「あ、の…」


「ん?おー大丈夫か?この辺はああいう奴らがいっぱいいるからな、今度からは大人と一緒にきた方がいいぞ?」



そう言って微かに震える少年の頭を撫でると少し安堵した表情になり「わかった…」と返事した




「ここならすぐに引き返せば街に戻れるだろ。気をつけて帰れよ〜」


「あ、ま、待てよ!」



もう大丈夫だろうと思い、俺はアジトに帰ろうと歩を進めた時少年が引き止めてきた



「ん?どした?」


「こ、これお礼…俺、今こんなのしか持ってないけど……」



差し出された少年の手の上にあったのは可愛らしい包装紙に包まれた飴だった




「お礼?いいよいいよ、ガキにそんなもんもらう程俺は恩着せがましい人間じゃねぇし」


「だ、駄目だ!助けてくれた人にはちゃんとお礼しろって陸さん言ってたし…」


「……はぁー…わかったよ」



深いため息をつきながらも俺は少年の手から飴をとる



「これでいいんだろ?」


「うん!あ、あとな……






助けてくれてありがとう!(笑顔)////」




―トクンッ






















「――――はっ…!」



思い出した――



あの子は…俺の…――――――












――――…

すみません、長くなりそうなので一旦区切ります(この時点ですでに長い)
後半はそんな長くならないかと思います…多分←

そして瑞琴、ヒロ君の名前お借りしました…!
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