話題:今読んでる本
ネタバレにはご注意ください
辻村さんのご本を拝読するのはこれが三冊目。(因みに『子どもたちは夜と遊ぶ』と『凍りのくじら』を既読済み)
滑らかで読みやすい文章は変わりませんね、辻村さんの文才が羨ましいです。登場人物の感情や行動がしっかりと書かれており感情移入しやすく、情景が目の前に現われるかの様にその場面が事細かに描かれていてとても好感が持てます。
そんな辻村さんの持ち味が遺憾なく発揮されているのは素晴らしい事です。が、発揮され過ぎるのか私の感情移入が過ぎるのかは分かりませんが、第2章で起こる事件は涙が出るほど悲しくて痛々しくてショックで先が読めず、ただ今読書を中断している状態です。
特殊能力を持つ主人公がどんな行動をとるのか、そして不運にも事件に遭遇してしまったふみちゃんの精神状態がとにかく心配です。
話題:最近読んだ本
個人的感想とネタバレには充分にご注意ください
火村シリーズ初の孤島もの、本格ミステリ…個人的にはミステリは二の次で作者が本当に書きたかったのはあれだったのでは?と思う…で誰でも安心して読める一冊。トリックは派手ではないが良く出来ている。当時話題となっていた時事ネタをいくつも積極的に取り上げていて興味深いものがある。
今回は登場人物の描写が薄く感じられた…私の記憶力が乏しいだけなのかも知れないが。有栖川、火村を除く計十二人の登場人物の内の凡そ半数を記憶出来ず、序盤に書かれている人物紹介を照らし合わせては読んでいた。犯人もその内の一人で、名前を明かされても瞬時に誰か分からず苦労した。動機は他の人物にも当てはめる事が出来る為、トリック以外の『これ』といった決め手に乏しく少し物足りない。
思いつきで話す有栖川と冷静沈着な火村は相変わらずの名コンビ。有栖川は少しエキサイトし過ぎた感もありハラハラさせられた。
ラストは少し切なくしんみりとする。
そんなわけで久しぶりに堪能した有栖川さんのご本は多少の物足りなさは感じるものの、物語にどっぷり浸かれて大満足でした。うん、幸せ。