急遽、お休みをいただいて帰省して参りました。
ケイくんが、亡くなったので。
19日かな、土曜日の昼過ぎ、仕事してたら相方から電話かかってきて、何事かと思ったら、『大和くんから連絡あった?ケイくんのこと聞いた?』って。
相方も詳しくは知らなかったようで、とにかく大和に電話して。
私たちは友達とサッカー部の後輩をバイク事故で亡くしてるので、また事故かな、と思って訊くと、『事故やったら俺も事故って書きたいよ。あいつアホやけん昨日一人で逝きやがった』『心臓発作で死んだってさ。自宅で、寝たっきりやったって』って。
そこらへんで、漸く、あぁ、ほんとうなんだ、とじわじわ回路が繋がって、次の瞬間には泣いていました。
大和が、仕事あるやろうけどどうにか都合つけろ。とにかく帰ってこい、絶対帰ってこい、みんなで送り出してやろう。って、たぶんそんなようなことを言ってた。
そのあとはもう仕事になんかなるわけないし、晃さんやT田さんが、現場に気遣わんでいいから早よ帰り。って言ってくれたので、お言葉に甘えて早退させてもらって帰宅、急いで支度して夕方の新幹線に飛び乗りました。
夜地元に着いて、もう斎場にケイくんいるし東高生もけっこういるからってことで、お通夜より一足早く、ケイくんに会いに行きました。
斎場でケイくんのお母さんに会ったら、お悔やみも言葉にならず泣いてしまって。
顔見てあげて、と言われてそばに寄っても、もう、なんか、悲しいとかじゃなくて、全く現実感はありませんでした。
それはその夜もお通夜のときもお葬式のときも同じで、涙は止まらないけどはたと冷静になると、あれ、私何しに帰ってきとんやろ。って思うんです。
そこにいるのはよく見知った顔で、たぶんケイくんなんだけど、少し、あれ、こんな顔やっけ。とも思った。いつの写真なのかはわからなかったけど、遺影の中のケイくんのほうが、よっぽどケイくんでした。…ケイくんの写真が遺影として飾ってあるってことさえ、私は上手に受け入れられなかったけど。
お通夜もお葬式も終わって出棺まで見送って、大阪に帰ってきましたが、いろんな場面を思い返しても、もうこの世界にケイくんがいないなんてことは、未だにうまく理解ができていません。
また地元に帰ったら、大和あたりが飲みに誘ってきて、行ったらいつものあの店で、ツバサくんとかカツヲくんもいて、ケイくんは遅れてきて、閉店時間までだらだら飲んで、そんなのが、続いてくんだって。思ってたのに、って言うか、そうならない想定がなかったから、思ってすらなかったよ。
サッカー部や同級生、先輩後輩、大学のお友達、保護者の方や先生方、懐かしい顔がほんとうにたくさんあった。長らく会ってなくて、会いたかったひとたちに会えました。
ケイくんのことが大好きなひとがこんなに集まってるのに、そこにケイくんが、ケイくんだけが、いなくて。
東高生が集まれば、どんな場面でも中心にいるのはケイくんでした。わたしにとっても、高校生活の大半を占めるサッカー部と黒潮、その両方の真ん中にケイくんはいます。誰かにあんな想いを感じたことは本当に初めてだったし、私の中にある、それはきっと一番きれいな感情。大人になってから考えれば不毛な恋だったのかも知れないけど、日記を読み返せばあの頃のわたしはとても幸せそうでした。卒業するとき強く思った、『すきでよかった』は今でも変わらないし、私の三年間を眩しく輝かせてくれる彼には心から感謝しています。彼のすべてが私の夢でした。私がマネージャーと幹部をやり通せたのは、ケイくんがやりたいことをやりたいようにやるためのお手伝いをしていられたからで、仮に不謹慎だと言われてもモチベーションはそこでした。
忘れたくないと思ったはずのたくさんの場面、忘れてしまったものもきっとある。だけど彼に恋をした瞬間のことは、すごく鮮明に覚えています。たったあれだけのことで、と今では思う、だけど、あの瞬間に彼がわたしの特別になりました。
大学に入ってもそれは変わらなかったし、誰に恋をしてもケイくんは確かなサイズ感でわたしの中にいました。なのにいなくなるなんてずるい。卒業するとき、ありがとうはいっぱい言えても、すきだってことは言えなかった。言わなかったけど、いろんなことと天秤にかけたら言えもしなかった。最後のお別れのときに言っただいすきだったよ、だいすきだよは、ケイくんに聴こえたかなあ。どう思っただろ。
やっぱりまだ、納得はできてない。
ケイくんが亡くなったなんて、タチの悪い冗談だとしか思えない。受け入れることが必要なんだと思うけど、時間はかかるんだと思います。間違いなく人生の春だったあの頃を鮮やかに彩って輝かせてくれたひとだから。
本当に素敵なひとでした。
彼にそんなつもりはなくても、彼はわたしにたくさんの絶景を見せてくれて、たくさんのものをくれました。彼が率いるサッカー部にいられたことも、彼の黒潮グループにいられたことも、私の誇りです。
全部が夢だったらいいのにって、やっぱり思ってしまうけど。
彼の姿に教えられたことがたくさんある。わたしは自分の誇りに恥じないように生きていける、わたしでいようと思います。
やっぱりあなたの笑顔は
最高に素敵だから
あからさまに反応してるあたし
それもいい
時が経つのが日に日に
早くなってる気がします
だけどそれは毎日を
誇りに幸せに生きた証拠
輝きを見つけた朝日