えっと、えっと。
博輝さんがバイト行ってて私ひとりお留守番なので久しぶりに日記でも書いておこうかと。
とりあえずは昨夜のできごと。
えぇと、以下結構口悪くなるというか、あまりオブラートには包まない(というか包めない)ので、不快に思われる方は読まないでくださいね。
初めて、喧嘩「みたいなこと」をしてしまいまして。いや、うん、私は喧嘩じゃないと思ってるんだけど!!
えっと、私が悪いんじゃないけど私が蒔いた種で、結果的に私が凹むというしょーもない出来事ですけども。
コトの発端は、バイト中に友達とかわしたちょっとした会話。昨日バイトやったんやけど、そんとき友達にね。「彼女と一緒にAV見たら楽しいよ」と言われ、あぁそうなん、と返しながら、博輝と一緒にそんなん見たことないから楽しいかどうかなんて解んないじゃん。だからバイト終わりで博輝んち行ってごろごろしてるときに訊いてみたん。
「ねぇねぇ今日バイト先のお友達に聞いたんやけどさ」
「うん」
「彼女と一緒にAV見たら楽しいよって言われたんやけど」
「うん、うん?」
「楽しい?」
「いや、俺彼女と一緒にとか見たことないけんわからん」
と。
それでね。やめときゃいいのに私訊いてみたの、怒らないから正直に言ってね、って前置きしてから。
「私と付き合いだして4ヶ月くらいやけど、その間AVとか見たりした?」
って。
そしたら博輝さん、即答で「うん」って!!
私その時点で多少動揺してるんです、だって私と博輝、2日会わないときがないくらいで、ぶっちゃけそんな溜まるほどエッチしてなくもないし。だから、あの、自意識過剰って言われたらそれまでなんだけど、博輝はAVとか見てないって、おもってたの。
でまあ、怒るとこでもないし。ってか怒らないからって言ってるから、飽くまで冷静に。「いつ?」って訊いたら、「いつって言われてもー…」って。ってことはつまり、「いついつ見ました」って言えないくらいだから、そう頻度が低いわけではないってことが推し量れる、よね。
私、怒りはしなかったけど、たぶん、でもやっぱり思った以上にショックが大きくて、ずーんって影背負って項垂れてしまって。博輝的に私がそれほどショックを受けてたことがまた意外だったような様子で、ちょっと慌ててた。曰く、性欲の捌け口だとかそういうのではなく、「研究」みたいなことだって言ってて、それなら言ってみれば「私のため」でしょう。それなら、まだ、ゆるせたって、言うかー…それほど落ち込むことなかったのかも知れない、けど。
なんか博輝がね、ごめん、って言ってくるから、「謝ってほしいんじゃないし、ってゆうか別に悪いことしてるわけじゃないじゃん」って私言うんだけど、それでも「いや、でもー…なんか、ごめん」みたいな、繰り返すわけ。それで私、「何が悪いと思って謝ってんの?」って訊いたの、そしたら博輝ね、「やけん、他の人の見て抜きよんが嫌なんやろ」って!言うわけよ!
それで私ぷちーんってきて。
えっと、あの、なんて言うか、私以外興味ないっつったって博輝だって男の子なんだから、AVとか見ればそれは生理的な反応が起きるのは自然なことやし、そんでそれ放っとくのも体に悪いんだろうし、だから、えーっと…しょうがないって、っていうかそこまで私が制限する権利ないから、いいんだけど、いい筈なんだけど、悔しくて、なんか悔しくて!そこまでがつーんと言うことないじゃないかと、思ったんです。仮にも私彼女で、そういうことだってしてる、さすがにAV女優みたいなことはしてあげられないけど、私なりに頑張ってる?のに、そんなこと私に言わなくていいじゃんって。
「もういい」って言って、上着だけひっつかんで飛び出しました。ブーツ履いてる間、「どこ行くんよ、待てって」ってずっと私の腕引いてたけど、「離して」って。すぐ追いかけてきたけど、私も頑固だからさ。
「こんなことしたって何の解決にもならんやろ」
「いいけん放っといて」
「俺がお前のこと放っとける訳ないやん」
「暫く頭冷やした帰るけん、放っといて!!」
って、もう半ば無理やり振り切って。博輝ほったらかしで、逃げちゃった。
そのあと博輝がどうしたのかは知らないけど、帰りたくなかったから、とりあえず歩いて。裸足でブーツ履いてきたもんだから足痛くて、どっか座りたいなーって思って。学校とかでもよかったんだけど、夜の学校は怖いからやめにして、それで私がどこ選んだかって言ったら博輝と別れた場所ね(笑)
ちなみに時間はもう夜中3時とかなんだけど。
学校の近くに神社があるんだけど、そこお城山の入り口になってて、通りに面して大きい階段があるの。そこに座って、ぼーっとしてた。
なんでこんなことになったんだろ。と思いながら、ぼんやりと。
そしたらさぁ。なんか外車に乗ったホストみたいな金髪の兄ちゃんに、「誰か待ってんの?」って車から声かけられて。これやばいなーって思ったから、黙って首振ったの。したらその人路肩に車停めて降りてきて、あろうことか私の隣に座ったの!
「どしたの?」
「いやー…彼氏と喧嘩しちゃって」
「ふーん…ドライブ行く?」
「え、あ、いや」
「なんで?パーっとした方がいいじゃん、俺も一人で寂しいんだよね、隣に座ってくれない?」
なんて!
愛媛県は松山市、露骨に伊予弁なこの土地で、なぜ標準語!そこがまず相容れんくて、ぞくぞくしたよまじで。
すごいしつこく誘ってきたけど、頑なに断り続けて、どうにかこうにか諦めてもらいました。最終的に「バイトしない?」とか言い出してたからね、怖かったよ。
それからあと、車に乗った兄ちゃんやらバイクの兄ちゃんやら酔っ払いやら、実に多彩な人々に声かけられたけど、適当にあしらってたら、1時間くらいしたくらいかな、チャリ乗ったお兄さんが、「あの、一人ですか?」って声かけてくれて。それまでのナンパなんじゃなくて、どうやら街の方で傷害事件?みたいのを見かけた帰りだったみたいで、それで心配になって声かけてくれたそうでして。
僕でよかったら話聞きますよ、って言ってくれて、一連の出来事を話したの。そしたら、「あなたのその考えは間違ってないと思いますよ、女性ならごく自然なことだと思います」って、なんか、初対面の人にすごく親切に慰めてもらっちゃいました。
帰るタイミング失ってたんだけど、「ほんと今日はもう危ないんで…」ってすごい心配してくれてたし、「彼氏さんも心配してると思いますよ、絶対あなたが帰ってくるの待ってますから」って励ましてもらって…うん。腹くくって帰りました。
家戻ったら、博輝さん開口一番「どこ行っとったん」って、なんか不機嫌にも見えたけど、私悪くないと思ってるから、「どこも行ってないよ」って返して。そしたらブーツ脱いでる間にうしろから抱き締めてきました。
「心配した、愛の気持ちも考えんでごめん、謝るなって言われたけど、でもごめん、ほんとに心配したんよ、もう帰ってこんかと思った」
って…言ってる間にどんどん抱きしめてる力も強くなって、声も震えてて、あぁまた泣かしちゃったと思いながら、ただ黙って抱きしめられてました。そりゃ帰りますよね、お財布も携帯もなにひとつ持ってないんだもん。どうしたって博輝んとこ戻るしかなかったんだけど、さ。
結局その晩は、離してもらえるはずもなく、抱きしめられたまま眠りました。正直暑かったけど、でも博輝の心臓の音がとても耳に心地よかったので、おとなしく抱きしめられておきました。なんかしょーもないことしたなあと思ったけど、博輝的には学ぶところがあったらしいので、オーケイってことにしときます。笑
あー長かった。
昨夜博輝にとんでもないキスマークつけられたので今日の着付け教室は大変でした(苦笑)。