転生もので、救われないお話。
戯れ事シリーズ、だがしかし、オリキャラしかでません。
以上、お気をつけてお読みください。
「こんにちは」
挨拶をされたため足を止める。
聞き覚えのない声のため、普段なら自分ではないと思うのだが場所が場所だったため自分のことかと続いて顔を向ける。
人通りのない路地裏に、少女がいた。
にこにこにこ。
笑顔。
そう歳も変わらないだろう少女がこちらを見ていた。
やはり、自分へ向かって言ったらしいので、
「こんにちは」
自分も挨拶を返した。
「少し、私の話を聞いてくれませんか?」
「…いいですよ」
「ありがとうございます」
少女は同じ中学の制服を着ていた。
学年は……分からない。
ただ、自分のクラスメートではないことは確かだ。
それぐらいの記憶力はある。
「私、前世の記憶があるのです」
……どうやら相手の記憶力は、途方もない記憶力を保持しているらしかった。
「……続き、聞いてくれます?」
「どうぞ」
「ありがとうございます。続きを聞いてくれるのは貴方が初めてです」
それはそうだろう。
というかそんな話を他の通りすがりに話して通報されたりしなかったのだろうか、と的違いのことを考えてしまった。
それぐらい、突拍子もない話だ。
「前世では誰かに殺されたのです。刃物でザクザクザクザク。とても怖かったはずなのですけれど、あまり、よくは覚えていないのです。
おそらく、殺されたショックで忘れるように心の自己防衛がおこったのでしょう。誰に殺されたのかも、やはり、よく覚えていません」
「…………へぇ」
「気付いたら、幼児に逆戻りしていました。どこのコナン君?とも思いましたけれど、どうやら私は転生して記憶を取り戻してしまったらしいのです」
「コナン君?」
「中身は大人、姿は子どもの名探偵です」
「ふぅん…?」
「自分の状態が、まるで夢みたいで……もしかしたら、と思ったんですけれど……貴方は、夢小説、をご存知ですか?」
「夢小説?」
「私ごときの説明でご理解いただけるか不安ですが…夢小説とは、漫画やゲームなどの版権ものに自分の考えたキャラクターを登場させて自分の思うがままに物語をでっち上げて個人的に楽しむために小説にしたもののことです」
「うん、理解した」
「ありがとうございます」
「それで、その、夢が詰まった夢小説がどうしたの?」
「その中に、転生というジャンルがあるのです」
「転生」
「はい。現実世界でお亡くなりになって、漫画の世界に転生してしまい、キャラクターと関わりを持ったり持たなかったりするお話です」
「まさに、君のその状態がそうだと」
「はい。私、喜んでしまいました。好きな世界に、好きなキャラクターに、会えるのではないかと」
「会えたの?」
「いいえ、やはり人生はそう上手く転ばないみたいですね。どこの漫画の世界なのかも、現実の世界なのかも分かりません」
「そう」
「はい」
「…寂しいね」
「…はい。でも、聞いてくださる方がいて、スッキリしました」
「よかったね」
「ありがとうございます。そういえば、お名前、お聞きしてもよろしいですか?」
「うん、零崎霧識」
「ぜろざき、………え?零崎……?零崎って、え?うそ、戯言の……」
「ねぇ、ところで、君」
「え、は、はい?」
「どうして生きてるの?」
「……、…………え?」
「君、昨日、ここで通り魔にズタズタに刺されて死んでいたんだよ。犯人は未だに捕まっていないそうだけど」
「あ……え?」
「記憶の混濁」
「……え?え?」
「死んだことがショックで心の自己防衛がおこったのかな。…幽霊に、心があるかは知らないけど」
「ちが、え?なに?どういう…」
「君は死んだ、転生なんてしちゃいない、転生したと思い込んで記憶を逆戻りしただけ」
「違う、私は、本当に、この世界に…」
「君は死んだよ」
「ちが、」
「殺した僕が言うんだから間違いない」
「…?、………?、…………!!!!!!」
「ばいばい、次はちゃんと転生とやらができるといいね」
(殺されて、)(気付いたら)(転生していて、)(気付いたら)(また殺されて)
(奇跡は二度、起こらない)
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全てオリジナルキャラのみでお送りしてしまった\(^0^)/
キャラに関わらず、どの世界なのかもわからずに、また輪廻を巡るのもありそうだと思い書いてみました。
よく神様にどこどこの世界に転生したい、と言うだけだったら、時系列が合わなかったりするものありそうだと思ったから、最初、語り部は雲雀さんのお孫さん設定にするつもりだったとか言ってみる←
だがしかし、最近、人間シリーズを読み直して人識さんラブだからそっちに行ってみた!
霧識君のキャラクターは固定してないんですけどね!!