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暗黒童話/乙一



▼あらすじ
事故で左目を失い、更に記憶喪失に陥った女子高生の「私」は、臓器移植で死者の眼球の提供を受けた。しかし、その眼はやがて様々な記憶の映像を脳内に映し始める。
「私」は眼の記憶を辿って、眼球の提供者が生前に住んでいた町へ赴くが……。


乙一さんの長編は初めて読みましたが、うーん。
まず、佳境に差し掛かるまで主人公の記憶に関するあれこれがくどくて中弛みしてしまいました。
あと、何となくオチが読めてしまったところもある。
グロさエグさはありますが、何故かホラー的な戦慄や胸糞悪さをあまり感じず、またミステリー的な清々しさもそこまでなく……何と言うのか、無難にまとまった感。


作中に登場する“暗黒童話”を読んでみたいです。なんとなくエドワード・ゴーリーの絵本のようなイメージ。

クレィドゥ・ザ・スカイ/森博嗣



スカイクロラシリーズ。
一応、完結巻ということになるのでしょうか。

私ったら、これの前作にあたる(?)「フラッタ・リンツ・ライフ」を飛ばして本作を先に読んでしまったから、物語の脈絡も何も分からず、もう何が何だか(笑)

今までのシリーズは“カンナミ”“クサナギ”と、誰の目線で描かれているのかがはっきりしていましたが、今作は最後まで主人公の名前が明かされません。
だから自分で推測するしかないのですが、誰の目線でもしっくりこないんですよね。前作を読んでいないせいかもしれませんが。
クサナギの名前が他称で出てくるので、カンナミかティーチャかとも思いましたが、どうにも違う気がする。
(読み終わったのは先月だったし)曖昧だけど、カンナミもティーチャも他称で出てきたような。
もしかしたら、今までのシリーズに登場した名前のある人物ではなく、モブキャラクターのキルドレ目線なのかもしれないと思い始めたところです。
はてさて、誰なんでしょうか。

それと、主人公はよく夢や白昼夢を見ているのですが、はっきりと夢だと分かりにくい描写から入るので、どこまでがこの世界で起こっている現実なのか段々分からなくなります。
まぁ私にとってスカイクロラシリーズとはよく分からない浮遊感を楽しむものなので、分からないなら分からないままでいいのですが(笑)

一度シリーズを時系列順に読み直してみようと思います。
あ、その前に前作読まなきゃ。

ブラッド・スクーパ/森博嗣



侍のゼンが主役の時代劇シリーズ(?)2作目。

前作はゼンが師匠の古い知人を訪ねて様々な地へと旅しておりましたが、今作はその旅の途中で立ち寄ったある村で用心棒として働くことになります。
物語は淡々と進みますが、今作もしっかりオチがあります。それも少しミステリーチックな。


このシリーズは感想を書くのが難しいので(笑)印象的なところを少し。
内容のイメージは“澄んだ空気”ですかね。
戦いの描写はゼンの主観だからテンポが良くて読みやすい。その分、血生臭いんですけどね(笑)
道理、倫理、論理、真理、心理。
読み終わった時、これらの単語が頭の中に浮かんできました。

銀河不動産の超越/森博嗣

年に5回くらいのペースで訪れる私的な森博嗣ブーム。



簡単なあらすじは、銀河不動産に勤める平凡な主人公が変わったお客たちと触れ合う日常を描いた短編連作集。
もちろん、森博嗣なのできちんとオチもあります。

世界観に特殊な設定があるわけではありませんが、なかなかギャグのようなファンタジーのような展開の話ですね。
春みたいにほんわかしているのに冬の冷たさが漂うような、何だか不思議なこの感じ。上手く伝わらない(笑)
“超越”ってどういうことなんだろうなと思っていたら……。


私は、主人公のものの見方や言い回しが面白くて、森博嗣の表現が好きだから楽しめた部分が多かったように思います。

GOTH/乙一

★拍手ありがとうございます。


最近はミステリー以外の作品を読むことが多いです。



乙一さんの「GOTH」
読んだのは文庫版ですが、何故か2冊に分かれていて面倒なので、リンクは単行本の方にします(笑)

簡単なあらすじは、犯罪者に惹かれる高校生の「僕」と森野が様々な事件に首をつっこんでいく短編連作集。

ホラーとミステリーの融合のような感じです。
生臭い描写は多いですが、無駄なグロさ(ひたすらグロいだけのホラーなど)がなく、丁度良い残酷さ加減。
ちゃんとミステリー的なオチもあって、その要素がホラー要素を中和しているようなイメージです。
主人公「僕」と森野の変わったキャラクターも魅力的ですし、そのせいかくどくどと動機などを聞かされることもなく淡々と進むので読みやすいですね。

でも、ホラー特有(?)の戦慄や胸糞悪い思いをしない分、印象的ではありますがこれといって面白かったとか、また読みたいとかいうことも正直ありませんでした。
ホラー的な残酷さとミステリー的な清々しさ(騙された!という感じ)、それだけです。
こういうの、私は好き。


あとは、作者さんのあとがきが面白いです(笑)
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