けんちゃんは、
ブルーの小箱を差し出した。


『遅くなりましたけど、
お誕生日プレゼントです(^^;)』


『私に?』



スワロフスキーの、
ピンクの石が可愛いネックレスだ。




職業がら、
指輪や 華美なヘアアクセサリーなどは禁止されている。



『これならシャツに隠れるし、
仕事中もつけられるでしょ?』



そんなことまで考えてくれたんだ。




なのに私は、
ふたりの間に 誕生日なんかないことにしようって…





嬉しいのと情けないのとで、
たぶん顔をクシャクシャにして泣いた。



泣きながら、
ネックレスの金具を外そうとして、




『けんちゃ〜ん!

前が見えない〜(ノД`)』




けんちゃんは、
しゃくり泣きしてる私を笑いながら、ネックレスをつけてくれた。



『うん…
似合いますよ(^^)』






決して安いものではなかっただろうに。
あの時、あんなひどいこと言ってしまって…





そろそろやってくる けんちゃんの誕生日に

私も何かプレゼントを用意しなきゃ。