けんちゃんがいなくなることを考えたら、
いてもたってもいられなくて、

昨日仕事終わりに
『今から行っていい?』

シュークリーム片手に押しかけてしまった。



並んでテレビを見てたら、
だんだん彼が静かになってきて、

採用試験の書類やらで忙しくしてたから、
疲れてんのね、と思って
分厚い『膝枕』を提供したら
ウトウト眠ってしまった。



仮眠から覚めると、
突然私の手を強く握ってきて、

けんちゃんは泣き出してしまった。




この人が泣く時は、
大抵別れを考えた時とか、
気になる女の子が現れた時。


そういう場合、
当然泣きたいのは私なんだけれど、

彼は先に泣いてしまう。



ある意味ズルい…



色々聞いても首を縦か横に振るだけで、
声を発したかと思えば蚊の鳴くような声で。


『どうしたらいいのか、
わからなくなりました……』




私のシャツは、

けんちゃんの涙と鼻水でビショビショだ。