自由な時間を確保できる。
プライドなんか捨て去れば楽な仕事だった



でも確かに自分を痛め付け蔑ろにし、細胞だってすり減る仕事だった。
何を得、何を失うか
楽な生き方を選び
自分を犠牲にした
でもそれだって食っていける手段なのだ。
何かを生み出せる仕事じゃない、誇れもしない
でも渡されたピン札は、今日も腹を満たしてくれた



血に塗れても金は金
それは平等であり、不条理にも思えた。
身体なんてなくなれば、腹が減ることもしんどいこともなくなるはずなのに。
魂のレベルで苦しいことなどないと、その時はまだ確信していた。



仕事は、愛人だった。
適当に金を貰い
誰にも相手にされないようなじじいを相手にした
それでも金持ちで
やっぱり自分の価値はその程度なのだと思った



勃起もしないじじいや
寂しいじじい
バイアグラを使うじじいを相手にした
事の終わりに、風呂の湯気に融合した、身体からかおるじじいの唾液には、吐き気を催した
自分を切り崩して売っている気がした。
若さとか性とか。
いつかは消え失せるものでも、早いうちに失うのは、多少の自尊心を傷つけた