夢を映像として残せる夢札が発明された現代。夢札の映像を元に夢判断をする仕事をしている浩章は、日本で初めて予知夢を見る事が出来た古藤結衣子を図書館で見かけ、追いかける。途中で消えてしまった結衣子の姿を探す内に、10年以上前に亡くなっている事を思い出し、呆然とする。

古藤結衣子の彼氏であった兄と予知夢を見られる事でマスコミから追いかけられ苦しんだ結衣子を間近で見ていた浩章は、やがて夢判断の仕事をするようになった。同僚の鎌田康久から夢判断を一緒に担当してくれと言われ、集団食中毒と報道された事件の真相を、夢札から調べる事となる。

G県の小学校の4年生が泣き喚き外に出始めると、クラスメートが次々と後に続く。暫くするとどうして児童達は外に出たのか覚えていなかったのだ。唯一得られた証言は、何かが教室に入ってきたというもので、教員は監視カメラを調べたが、何も映っていなかったので、児童達の夢札を引くことにしたのだという。

鎌田に結衣子の様な人影を見たのだと話すと鎌田は、焼死したとされているが、焼け具合が酷くて特定出来なかった事から、結衣子が事故を利用して生き延び、浩章に何かを伝えようとしているのではないかと指摘されるのだが…。

『夢違』
著者 恩田陸
発行元 株式会社角川グループパブリッシング
ISBN 978-4-04-110060-8

以下、追記で感想なので、ネタバレする上に主観入ってます。読んでない方や苦手な方はブラウザバックでお願いします。