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李蓮きゃっとがアニメ・漫画やゲームについて語ったり、小説やイラストを載せたりするブログ。コメント貰えると嬉しいです。
永遠の愛を、今誓う
第五章(はじめ)
「俺には、土方さんしかいないんです……」
ゆっくりとベッドに倒れながら、彼の背中に手を回した。キスをした時、彼からはいつもと違う……何か、鼻につく甘ったるい香水のような匂いがして……。
俺は、それが堪らなく嫌だった。
「土方さんのために……俺は、あなたのためだけに、生きているのに……」
そう呟くと、彼が不思議そうに俺の顔を覗き込む。
誰か、他の女にも同じようなことをしているのではないか……。
度想像を始めると、考えはいつまでも悪い方へと走っていく。
死ぬほど吐き気がした。
「もっと……もっと俺を、愛してください」
土方さんに限って、他の人間に興味を持つことなど絶対にあり得ない。仕事以外では女と口をきいたりもしない。彼が愛するのは、俺だけ。
本当はそんなこと、分かりきっていた。
だって……俺の土方さんなのだから。
「めちゃくちゃに……もっと壊れるほどに――……俺を、愛して……!」
けれど、この不安をどうにか掻き消して欲しくて。不安を忘れられるほど、あなたに愛して欲しくて……。
――……それを口実に俺は、土方さんにさらなる愛を求めた。
不滅の愛。永久に朽ちることのない、ふたりの愛を……。
……そう。いつまでも隣で、寄り添っていられるように。ふたりが離れることのないように。俺たちが、ずっと一緒にいられるように。
永遠の愛を、誓うために――……。
「土方さん。俺を……殺してください」
――――愛しています、土方さん。
だから、共に逝きましょう。ふたりだけの世界へ。
俺たちの愛を今、永遠に――……。
―――第五章(完)―――
さよならの行方(斎→沖)
「今まで楽しかったよ。………さよなら、はじめくん」
何も、言えなかった。
俺に背を向け去っていく総司。振り返ることさえしないほどに、俺たちの心は離れてしまっていたのか。
総司が残した最後の言葉に、いつもの『またね』はなかった。
いったい、どこで違ってしまったのだろう。俺たちの関係は変わらず続いていくのだと、馬鹿みたいに信じてきた。
なのに、気がつけば俺の隣に、あの頃の総司の笑顔はなかった。
その視線の先にはいつもあの人がいたこと、分かっていなかった訳ではない。始めはただ、総司がそばにいてくれる……それだけで、よかったはずなのに。
この胸の痛みはきっと、俺が欲を出してしまったことへの罰なのだろう。
「……総司」
言えずにずっと、後悔していた言葉がある。
沈んでいく小さな夕日が、あの日の遠ざっていく背中に見えて……。俺は、堪らずそっと呟いた。
「あんたに出会えて……良かった」
総司……あんたと過ごして、好きになって。今の俺がここにあるのは、きっとあんたのおかげだ。
……ずっと、これだけが言いたくて、総司のあの後ろ姿を俺はいつまでも追い続けてきた。
けれど、総司と過ごした大切な日々を、薄っぺらな思い出などにしたくはなかったから。
さよならは言わないと、あの頃からそう決めていた。
―――(完)―――
性 別 | 女性 |
誕生日 | 8月21日 |
地 域 | 千葉県 |
血液型 | O型 |