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3月11日

2年前か。
ひとつの事件と考えると、そんなに前なのか、も思う。
世の中が変わった区切りと考えると、それしか経ってないのか、とも思う。

世界が変わってから2年。

黙祷はできなかった。
仕事中だしくそ忙しくてたぶん笑顔でその時間を迎えた。


2年前のその時間、私は今の職場の正面の建物で大きな揺れを感じた。
友人の手を引いて外に逃げて。
結構びびっていた気がするけど、友人の方が怖がっていたから私はへらへらしていた。
へらへらしながら生き残る算段を考えた。

津波が来るかもって言われて、マジかよって思った。
あのときの心境はほんとに、マジかよってしか言いようがない。
信じられないし、半信半疑で、でも死んでたまるかって思って友人を連れて高台に逃げた。
駅前で右往左往する奴らを見て、津波がきたらこいつらは死ぬんだなって思った。
横浜に津波が来なくてよかった。


今日は誰とも震災の話をしていない。
意識が薄れてきているのかもって思った。

私は世界が変わったと実感しているし、
バブル時代に戻りたがるものの好景気にできず閉塞感のある社会がバブルの幻想を捨てて前に進み始めたと思っているし(どこぞの阿呆は日本を取り戻すなんて言っているけど)
区切りだと思っている。
それは私が被災地に行って、実際に彼らと喋って、港の臭いもかいでいるからかもしれない。
あるいは、私が未だに震災をテーマにし続けているアート界隈のカルチャーに生きているからかもしれない。

ほとんどの人にとっては、あれは単発の悲劇的イベントであって、今に至るための区切りではないのかもしれない。
3.11という風に、あの出来事を記号化するのも早かった。
私がまだ生々しい現実であると感じているときから記号化して、メディアの中の出来事に落とし込まれた。



去年からワタリウム美術館で震災三部作が展開されている。
ChimPomのひっくりかえる展を皮切りに
坂口恭平の新政府展
で、今はフランス人写真家であるJRの世界はアートで変わってく展。

特にひっくりかえる展は世界がひっくりかえる、ひっくりかえすというのがテーマで。
ChimPomっていう集団は、渋谷の岡本太郎≪明日の神話≫に落書きしたとかで震災直後騒がれていたあの「イタズラ」の「犯人」なんだけど。
私はあの展示を見て、震災以降、世界はひっくりかえったんだなと実感した。

坂口恭平の新政府展もなかなか面白くて、日本の現政府は政府として機能していないから日本は無政府状態であるという。
自称「新政府総理大臣」の坂口恭平の個展。

今やっているJRの展示はまだゆっくり見れてないけど、彼はひっくりかえる展で紹介されていた。
世界を変えるプロジェクト≪インサイドアウト≫で、日本に起こった震災にコミットしている。

こういうものがあるから、私はあの出来事をリアルに感じるし、忘れないのだと思う。
社会にコミットするアートは、ニュースなんかより非常にリアルに、分かりやすく、その問題について感じられる。
アートの有用性という話になってしまったけど。


NHK以外に震災について報道する局はほとんどなくなってしまった。
結局そういった出来事もイベントとしてテレビは消費しているのだろうか。
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