話題:気持ち悪い

一般的な社会に、気持ち悪いと思われている人種に、オタクと、恋する乙女と、宗教家と、があると、オレは、考える。
すなわち、オレは三重苦であり、気持ち悪さの権化である。この場合の恋する乙女とは、オレのオカマ的成分のことをいう。また、通常の文化的に形骸化したヲタクではなく、完全独立分野におけるオタクであることを否定できない。また、金銭を目的としていないが、どうしたって宗教家であることは間違いない。

なぜこれらが気持ち悪いかと言えば、盲信するからである。他者が理解できない範囲内で、通常社会にある者には見えない物を、ひたすらに追いかけるからである。狂信ともいえる行動をとることもある。

人間にとって、よくわからないもの、というのは気持ち悪いのである。

そして彼らは、往々にして、自滅するようにできている。残念なことに、揺らぎやすいという傾向が認められるのである。芯や核といったものがないことが多い。

ちょっとした話術を使うと、明らかにそれが分かる。本人が一番内心「これでいいのかな」と思っていて口に出さないことを、裏に臭わせながら、同調しながら話し掛ける、という方法である。

表面上は励ましている言葉にして、本人にとっては痛く感じる現実をかいまみせるのであるが、たいがいのお客様は、これだけでムキになって怒る。特に、人間ができている気になっている人は、カチンとくるらしい。

もろい信念だ。

誰に何を言われようと、オレみたいなスカポンタンに話術にかけられても、変わらずそれに向かい続けることができないものなのだろうか。
もっとも、そういう芯がある奴には、オレは罠をはらないけれど。

自分のなかに、自分の心を馬鹿馬鹿しいと感じている部分があるから、図星をつかれるとうろたえるのだろう。そして、そういう部分がある限り、たいがいのことは上手くいかない。早めに切り捨ててしまえと思う。

こうやって、オレはいろんな人の恨みを買ってきた。呪術を行うオレにとっては、自分に向けられた負の感情も、商売のタネになる。
オレのことならさっさと忘れて、未来を見るといい。未来のない奴にわざわざオレはこんな手の込んだことはしねぇぞ?