クリープハイプの尾崎世界観氏がジム・ジャームッシュの名作映画[ナイト・オン・ザ・プラネット]に着想を得て書いた新曲(主題歌)をもとに、映画[バイプレイヤーズ〜もしも100人の名脇役が映画をつくったら〜][くれなずめ]の松居大悟監督が、池松壮亮と伊藤沙莉を主演に迎えて制作した映画『ちょっと思い出しただけ』が、[第34回東京国際映画祭(TIFF)](10月30日〜11月8日)のコンペティション部門に選出。キャストの一部が発表された。

本作は、コロナ禍という時代性をまとった新しい形のちょっぴりビターなオリジナルラブストーリー。怪我でダンサーの道を諦めた照生(てるお)とタクシードライバーの葉(よう)。2人を中心に関わる登場人物たちとの会話を通じて都会の夜に無数に輝く人生たちの機微を繊細かつユーモラスに映し出す。年に一度訪れるある1日を、現代を反映させつつ描いた松居監督独自の物語。

これまで[君が君で君だ]やクリープハイプの楽曲[憂、燦々]のMVなどで松居監督作品にも多く出演してきた池松壮亮と、子役からキャリアを積み重ね、数々の作品に出演する伊藤沙莉が主演を務める。照生を池松壮亮、葉を伊藤沙莉が演じた。

第1報解禁からSNSでは「松居大悟×池松壮亮×クリープハイプ、嬉しくて震えてる」「尾崎世界観氏が映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』に着想を得て書いた新曲を元に松居大悟監督が主演に池松壮亮×伊藤沙莉を添えて映画撮るってなにごと?“好き”のパフェじゃん!楽しみすぎる」という期待の声が上がっている。

今年34回目となる東京国際映画祭は、日本で唯一の国際映画製作者連盟(FIAPF)公認の国際映画祭であり、今年はメイン会場を六本木地区から日比谷・有楽町エリアに移して開催される。松居監督が熱望していた東京国際映画祭コンペティション部門、初選出で受賞にも期待がかかる。上映の日程や会場は追って、東京国際映画祭公式サイト(tiff-jp.net)等で発表される。

今回発表されたキャストは6人と1組。主人公の2人が行きつけのバー「とまり木」のマスター・中井戸役に、國村隼。親身に相談に乗り、悩める若者たちの心の拠り所となりつつも、自身も恋愛相談を葉(伊藤沙莉)にするなどお茶目な一面も見せるバーのマスターをコミカルに演じる。

公園で妻を待ち続ける男・ジュン役で、NHKドラマ[オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ]で池松君と共演している永瀬正敏が出演。永瀬サンは1989年に公開された、ジム・ジャームッシュ監督作品[ミステリートレイン]で演じた役名と同じ名前の「ジュン」役を演じる。

ジュンの妻役に、映画[37セカンズ;'20]をはじめ、舞台・ドラマ・映画で幅広く活動する神野三鈴。

さらにクリープハイプが、劇中で演奏するバンド役としても出演。メンバーの尾崎世界観が自身のオールタイムベストに挙げるジム・ジャームッシュの映画[ナイト・オン・ザ・プラネット]に着想を得て書き上げた新曲[ナイトオンザプラネット]は、本作の主題歌であることが先日解禁されており、尾崎氏は劇中の重要な場面で登場するという。

松居監督の前作[くれなずめ]で主演の吉尾役を務め、ドラマ・声優など多岐にわたる活躍を見せる成田凌も、中井戸(國村隼)のバーの常連であるフミオ役として出演する。

その他、[#ハンド全力;'20]以来の松居監督作品参加となる篠原篤、国内外問わず名匠による作品に出演する菅田俊も出演する。


『ちょっと思い出しただけ』は、2022年早春に全国公開。