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黒と茶の幻想

非日常の旅を始めるアラフォーの美男美女4人。旅の途中で何かある訳ではなく、4人がそれぞれ学生時代の回想をしていく。
最初の語りは親しみやすい美人で大人っぽい利枝子。利枝子は学生時代、蒔生の彼女だったが、蒔生が利枝子の親友・憂理を好きになりフラれる。しかし結婚した今でも蒔生以上に好きになれる男とは巡りあっていない。
舞台女優として細々と活躍していた憂理は、近寄りがたいくらいの美人で、そして演技も上手かった。憂理に呼ばれた一人芝居を観に行き、憂理の演技に引き込まれる。

旅行の企画者・彰彦は、一見、ただの優男。彰彦の姉は彰彦の男友達を誘惑し、懐柔する事に快感を覚える困った姉で、彰彦の男友達がどんどん減ってきといた。
友紀の死について、彰彦は姉が絡んでいるのではないかと思っているが、本当の事を知りたくないと拒否している。

蒔生は彰彦の姉と関係を持ちながら、姉の目論見に気付いていた。姉は彰彦を愛しているが、姉はそれを彰彦に伝える訳にはいかなかった。そして彰彦を独占したい一心で、彰彦の男友達を排除しようと寝取っていた。彰彦が求めていた美しい謎が解けた瞬間だった。

憂理は利枝子が好きだった。同じ劇団に同性の恋人がいたが、その恋人と別れてまで、利枝子に近付きたかった。蒔生にその想いを気付かれ、蒔生に無理矢理犯される。そして憂理は自己嫌悪に苛まれ心を病み、拒食症になり亡くなる。

節子は蒔生の胸ぐらを掴んで思いっきり殴る。いや〜ここが一番スッキリした。でも彰彦も利枝子も節子も、結局、蒔生が好きなのね。嫌な男は何故かモテる。

『黒と茶の幻想』
著者 恩田陸
発行元 株式会社講談社
ISBN 4-06-211094-0
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