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ニゲル


逃げていく。

僕が逃げていく。

僕が風化して、砂になっていく


逃げちゃだめだ。なのに

立ち向かおうとすればするほど
逆風で削れていく気がして。

違う道を歩けば、

たったひとつの水源を見失う気がして。




だからいま

いまは逃げるのが一番楽だ。
現実逃避でこんなにも心がきれいになるなんて
思わなかったよ。

カノジョ

マシンガンでも壊せなくて
キャタピラーでも潰せなくて
宇宙人でも多分見つけられなくて

ロケットでも届かなくて
レーダーでも探せなくて

だけどその眼差しの先に「それ」は在るんだ。


ねえ、なんでそんなんになってまで頑張るの?




そんな詞を思い出した



おまえの眼差しの先には

いったい何があるんだ。



いっぱいだまされて
いっぱいうらぎられて

いっぱい傷ついても僕は


僕はもう後戻りできない

僕という人間が壊れて、崩れても


結果的に僕だけが惨めでも、最期まで裏切られても

後悔なんてしないの。

これが

そこに捧げるための僕の人生


かなわなければもう
僕の命はいらないもの。

今すぐにでも
無理矢理にでも助け出したい



なのに

どうして?



どうして僕を苦しめるの

はうめにい、はうろんぐ。



どれくらい自分を壊せば


世界は僕を許してくれる?

世界は納得してくれる?


僕の世界は






どれくらいがまんして

従っていれば世界は

僕の世界は在り続けてくれる?


わからないよ


ただ今は耐え続けるだけ



誰がなんと言おうと

それは彼らの世界の戯れ言

僕の世界じゃない


僕は僕で
僕の世界は僕だけの世界



この世界と、この僕を
僕は信じるしかない



みんな目標があって、生きてる
頑張っている。


そうじゃないか



ぼくだって目標をやっと見つけて
そのために僕の世界を保てる。



それが


ひととは少し違う。


それだけだよ



彼らと同じように考えていては

僕の世界を追いかけられない

それだけなんだよ。



ここから少しでもはみ出したら

ぼくは生きる場所がないのさ


少なくとも


この玩具でオンラインを泳ぎ始めて

やっと生まれた僕は


何年間も在り続けてきた僕は



今の僕は死んじゃう


僕は僕を肯定できなくなる。




うん




間違っていても
いけないことであっても、僕は

今の僕がすきだ。



この僕が死に、新しい僕が生まれるくらいなら僕は



いっそ自分を終えても構わない
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