2017-6-30 23:37
おばけなんて嘘さ!
「さむい」
家に帰ると、部屋はきんきんの冷たさでした。
「透世も、こっちにおいで」
「ホラー見てるから」
ふたりの兄に促されるまま、私はソファへ。
ホラーなんて、何を見ているのかと思ったら、随分と古めかしい映像でした。
「なぁに、これ」
「チャッキーだよ」
「チャッキー?」
「知らない?」
……知らないなあ。
「人形が動くんだよ」
「そいつがチャッキー」
「殺すんだ」
どうやら、人形が動くようです。
大人しく見ていると、怖がりの常世お兄ちゃんは、短い悲鳴を連発。目なんて、手のひらで半分覆ってしまっていました。
その悲鳴にびっくりするのが、私と千登世お兄ちゃん。
怖がり、って訳ではないですが、やっぱり驚いてしまう。
「あのさ、」
「なに」
「なんで、人形一個、すぐに壊せないだろうな?」
その言葉に、凍りつく私達。
「そりゃあ、チャッキーは呪いの人形だから」
「刃物も持ってるし」
「でも、人形じゃん」
「でも、呪いの人形だから」
ホラーって、見ていると、自分ならこうするのに!みたいな場面になりませんか?
私より怖がってくれる人がいるお陰で、今日の私はどっぷりとホラーに浸れていませんでした。
しまいには千登世お兄ちゃんとふたりで、なんで?家の中はだめだって!そこで躊躇うなよ、ちゃんと殺さないと!なんて、サバイバル気分になっていました。
「海外ホラー好きだなあ」
「なんで」
「頑張ったら倒せそうだから」
それを聞いた常世お兄ちゃんは、ゲーム脳だ、と千登世お兄ちゃんに言っていました。
ホラーだと私は、日本特有のあの気味悪さと救われない感が好きです。
輪廻、とか、大好き
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