最近、昔にお世話になっていたテニス夢小説サイトさんの仁王連載を読み返して仁王が熱いです。
遊び人の仁王が夢女主に一途になって…という、仁王小説の中では王道なお話ですが、
仁王がんばれ!がんばれ!と、親のような気持ちで読んでいたわけです。まあ激裏連載なので序盤仁王に襲われまくりでしたが



学プリの仁王雅治ED本当尊すぎてシナリオライターに一生頭が上がりません
あんなに見事に仁王雅治を落とせたヒロインにも拍手喝采する所存です
正面から気持ちを伝えるのが怖くて意中の女子を後ろから抱きしめ、伝えてる間体震えてる仁王とか誰が考えただろうか
もっと飄々としてるキャラやったやん
私はあの仁王雅治EDあるだけで学プリを買う価値があると思う。ちょっと学プリ探しにいきます


本命の彼女ができて、今までいろんな女の子に手を出してた分本命にはどう接すればいいかわからない仁王雅治本当にいい
それをブン太に相談しちゃう仁王、同じクラス尊きかな。と言うわけで今回はそう言うお話です






「彼女できた」

放課後、生徒の少なくなった教室で目の前に座る丸井にポツリとそう告げる。

事の発端は前文の通り彼女ができた事だが、それがまあ今までの女とは違うこと。

今までは雅治雅治と、望んでいなくても擦り寄ってくる女ばかりで正直うんざりしていた。
でもまあ暇潰しにはなるし、周りに女がおらんよりはおる方がいい。そう思い、上っ面の笑顔を浮かべ、愛の言葉を囁き、股を開く女の相手をする。
女なんて馬鹿ばっかりだ。ちと顔が良くて優しいだけで、すぐ落ちていくような奴らばかり。同期も年上も下も、そんな奴らばっかりだったのだ。


そう思いながら退屈な日々を淡々と、淡々と過ごしていた。そんな時に見つけた、今の彼女。
最初は全く興味などなかった。どうせこいつも周りと同じ“女”なのだと。


「は?また?つーかなに急に」

俺が突然言うものだから、丸井は頭に疑問符を浮かべながらもうんざりとした顔でそう答えた。

「どーせまた擦り寄られて適当に付き合ったんだろ。お前それ何人目だよ」

そう言いながら丸井は常備しているガムの包みを開け、口へ放り込む。
勿論逐一丸井に相談などしていたわけじゃないが、どうやら女をとっかえひっかえしているというのは学校中の噂だったらしい。まあ俺はそんなもん気にしとらんかったけど。事実じゃし。

付き合った人数など記憶にも無く、うーと唸り机に突っ伏していると、いい加減にしとけよ。と、丸井が俺の頭を軽く小突く。

「…本気なんじゃ」

「え、なに」

「今の彼女」

どうしたらええのか分からん。と、今の気持ちをつい丸井に溢してしまう。
これは珍しい。と目を丸くした丸井はまるで時間が止まったような顔をし、膨らませていたガムはすうっと空気が抜けてしぼんでいった。


「でも、付き合えたんだろい。どうするもこうするも」

「今まで適当に付き合いすぎて、どうしたらええのか分からん」

「あーな。仁王でも悩む事あんのな」

「…丸井、俺は恋愛マスターでもなんでもないきに」


あっそ。と、しぼんだガムを口に含み直し、またぷうっとガムを膨らます。

丸井は丸井で、2年の時に校内で出来た彼女がいる。これも丸井から聞いた話ではなく、他人から聞いた話。というか、校内公認のお似合いカップルらしい。どうでもええけど。

丸井が彼女を誰よりも大切にしている事は、丸井とその彼女が2人でいるところを見ていない俺でも分かる。
テニス部としてチームメイトだった時や勿論クラスにいる時も、丸井は男から見ても男前だったのだ。勝ち気な性格とリーダーシップに長け、面倒見が良く洞察力も優れている分周りへの気遣いも上手い。誰がどう見ても良い男。異性は勿論、同性からの支持も厚かった。
そんな丸井だから、つい俺も弱音が出てしまったのかもしれん。


「不安にさせんなよ」

「え」

「だから。彼女不安にさせるようなことはすんなっつーの」

女子は連絡とか結構欲しがるし。
そう付け足し、丸井はガタリと腰掛けていた椅子から立ち上がり、ノートや筆箱などをカバンに詰め込みながら話した。

「お前連絡あんましないタイプだろ。わかるけどさ、女子ってそう言うのすげぇ気にするみたいだぜ。こう言うのもなんだけど仁王、今まで周りにいた女子の事もあるし。彼女も不安になるだろ。気にしてやれよ」

じゃ、俺帰るわ。そう言うと丸井は肩にカバンをかけ教室を出て行った。


「…えらく簡潔にまとめたのう」

いつの間にか誰もいなくなっていた教室で一人呟く。丸井の言い残した言葉は酷く簡潔で、それでいて的確だった。

今週末映画にでも誘ってみるか。と、彼女を想いながら携帯を左手に、ほとんど何も入っていない鞄を右肩にかけ俺も教室を後にする。こんなにドキドキとする連絡を取るのはいつ振りだろう?いや、初めてかもしれない。


前方に小さく見える丸井と一定の距離を乱す事無く帰宅路につく。走って追いかけ「一緒に帰ろう」などと言うことはない。近すぎず遠すぎない、丸井とはそんな関係で良いのだと思いながら歩いた。







ここら辺りでブンブンアラカルトのクラスメイトを聴くと3Bの関係に泣けてきます。「たまにデコボコだけどそれでもok」、男前のブン太も、フラフラしてる仁王も私は好きです。