「何をしている。早く乗れ」

「……」


む、無理です…!
そもそも馬に乗った三成さんが差し伸べてる手すらおそらく届きません!
せめてもう少しかがむとかさ…


「馬は一頭しかいない。嫌でも少しの間くらい我慢していろ」

「…え」


あたし別に三成さんと一緒に乗るのが嫌だから渋ってるわけじゃないんだけど…
単に乗り方がわからないだけで。


「あ、あのー…」

「何だ」

「あたし、馬に乗ったことなくて…」

「…!」


言うが早いか、三成さんが降りた。
も、もしかして呆れられた…?


「ごっごめんね三成さん!あたしの世界は馬を移動手段にしてなくて…!本物見るのも実は初めてで…」


あわわ…また言い訳みたいになってる…!
でも事実だし、正直に言った方がいいと思って…
…いや、正直に言ったところで解決はしないんだけど……って
こ、今度は腕掴んで何…?


「それならそうと先に言え。ならば他にも方法はあるだろう」

「へっ…」

「これで問題はない」


…え、えええ、えええええええええ!?

あ、ああ…、あああの………っ!
ダメだ…!
考えがまとまらない!


だ、だって!
だってだってだって…っ!
これって……!
漫画でしか見たことない、姫抱き乗馬…!?




………その時。
ガラリと馬屋の戸が開いた。
そして…


「…は、破廉恥でござるぅうううああああああああああああああ!」






















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…はい、いちばん面倒な人に見つかりましたよ←