・銀魂夢
・女郎夢主
・口悪い態度悪い
・続きそう…かも
・とりあえず載せる
・夢主「千草(ちぐさ)」
・禿(かむろ)…上級の遊女に使われる10歳前後の見習いの少女
・折檻(せっかん)…体罰てきなもの
以上を了承してくださる方は下へどうぞ…!
腹の虫がまたひと鳴きした。
最後に客が来たのはいつのことだろうか。
そんなことをぼんやりと考える千草は、再びごろりとだらしなく寝返りを打った。
ここは遊郭。
数ある女郎屋の一つ。
女は華美な着物を身に纏い、愛想を振りまく。
色と香りに誘われて、男は毎夜のように廓を渡り歩き女を買うのだ。
「…って……」
折檻という名の体罰、殴られた傷が痛んだ。
この辺りに女郎屋などいくらでもあるが、千草ほどの粗悪女郎などそういない。
黙っていれば整った顔立ちをしており、色も白く華奢な良い身体をしている。
だが色町は見目だけで渡っていけるほど甘い世界ではない。
男を喜ばせ誘う視線や仕草。
機転が利いて床上手。
あらゆる器量や技術を必要とする。
だが千草はまれに見るなんともふてぶてしい跳ね返り女郎であった。
客には睨みを利かせ、他の女郎に喧嘩を売る。
幼い禿を蹴り飛ばしては怒鳴りつけ威嚇する。
そうして折檻されるの繰り返しだ。
そんな千草の取り柄と言えば、一見鮮麗な外見と丈夫な身体。
いくら折檻されても失せることのない瞳の鋭さだった。
そんな千草も含め、遊女に食事が出されることはない。
彼女らは客の残り物を食すことで食い繋ぐ他に術がなかった。
だから、客をとらなければ食べる物がない。
食べる物がなければ、そのうち遊女達は弱りに弱り病にかかる。
使えぬ遊女に用はない。
そうなった彼女らは死ぬよりも先にどこかに棄てられる。
遊女は「物」であり商品でしかない。
あの豪華絢爛な世界の裏は、死ぬか生きるか女の地獄なのだ。
「…おいばばあ、何この格好」
「相変わらずの悪たれ口だね。客にそんな口叩いたら承知しないよ」
久しく着ることのなかった煌びやかな着物。
ずっしりと重いかんざしに、千草は盛大な舌打ちをした。
そうしてしばしの沈黙。
「……………客?」
「なんだい今更。ったく物好きもいたもんだよ」
間抜けな表情でわかりきった質問をする千草に、女将はもう一度帯を締め上げた。
「お前なんか丈夫なとこしか取り柄がないってのに。飯食わなくてもちっともくたばりゃしねぇんだから」
「…あー………」
千草は先ほどのやり取りを思い返しながら、のろのろと客の待つあてがわれた部屋の扉に手をかけた。
「遅ェお着きだな。遊女さんよぉ」
「……」
悠々と猪口を傾ける男は、千草を一瞥してにやりと笑んだ。
「……高杉、晋助?」
「ほぉ…?俺を知ってる遊女がいるたァな。どっから得た情報か知らねーが、さしずめ檻の外に憧れるはぐれ遊女ってとこか?」
高杉は目を細めるが、千草はただ肩をすくめた。
「あいにく、てめーにも外にも興味はねぇよ。名前と顔を知ったのだってただの偶然なもんでね」
愛想笑いどころか、そんな台詞を吐き捨てる遊女が存在するとは。
高杉は一瞬目を丸くしたが、突如笑い出した。
さも楽しそうに、だ。
「クク…。おもしろい女だな、お前…」
「……あっそ」
そんなことより、と千草は高杉を見据えたまま首を傾げてかんざしを揺らした。
続?
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本当は書きかけでこれの倍くらいあるんですが、とりあえずこんだけで。
いろいろツッコミ入れたいところだらけとは思いますが、スルーで!
しかしアレって実話らしいですよ。
遊女の食事は客の残り物って。
すごいですね。
短編にしては長めですが、またお付き合いくださると幸いでございます!
お読みいただきありがとうございましたー!
話題:名前変換無し夢小説。