きもちわるいと言いつつ
だいすきだったわたるが異動になったよ
なんで、なんで1番に言ってくれなかったんやろう
なんてね。
わたるにとってこの店はただの踏み台で
わたしは踏み台の店にいる
ただのできのわるいバイスにすぎないものね
かなしいよ、だいすきだ

わたしの悪口をすべてうけとめてくれたのは
わたるでした
わたしは人に本音なんて
あんまり言えないたちやし
そもそも、人を苦手になったり
いらいらすること自体あまり多くなかった

でもあのころは定演と、ビザと、テスト前と
鬼畜シフトのおかげで
ほんとうにいらいらしてて
心がせまくなっていた
誰かに吐き出したいと思って
まず浮かんだのはわたるだった

あいつは
おれもさいきんいらいらしてるわ
なんて言いつつ
すべてを受け止めてくれた

あんたためこみそうやからな
ちゃんと言いや
と言ってくれた
そのときは嬉しいな
くらいにしか思ってなかったけど
後になって、今になって
そのことばが優しくてありがたくて
思い出すとがんばれそうな
そんなかんじがするのよ

あいつはいつもかわいそうなシフトにさせられて
そう見せていたのか、実際にそうだったのかは
わからないけれど
どんなときも余裕そうに見えてた
すごいなって思ってたんやよ

ああ。
とりあえず社員にプチ片想いしてしまうクセを
やめないと
でも、かなしいよ
とりあえず気持ちの整理を。