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想(道→晴)


幼い頃から、美しいと思っていた。



蜂蜜色の柔らかそうな髪の毛、

神秘的な深紫の瞳、

凛々しい目もと、

心地良い澄んだ声、

ほのかに香る甘い香りも、

何でも知っている博識なところも、

何もかもが美しいと思った。



そして、それらは今になっても何ら変わらず、むしろ漂う妖艶さと一緒に酷く俺を誘惑する。

熟れた果実のように色香を放つ。


「……晴明」


美しい、本当に美しい。

お前の全てを手に入れたい、晴明。

全てを手に入れて、俺の元へ縛り付けておきたい。

お前を独占したい。


「…………」


いつか、お前を手に入れることができるのだろうか。

お前は俺を見てくれるだろうか。



叶わぬ願いを思い描きながら、今日も一人月を見上げた。





by道満

ティータイムには紅茶と君(鴨+晴+墺)

ジャンルの関係上や記事の内容上、パスワードを付けさせて頂きます。

A*P*H関係の内容を含む記事には貴族様の誕生日を、
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その他の記事には例の数字を半角でお願いします。

日記の付け方(土鴨、道晴、独墺←普)

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にっき(土鴨・R-15)

ちょっとアレなシーンがありますので、一応R-15でお願いします(^^;

閲覧は自己責任ですので、読んだ後の苦情等は一切受け付けません。







『○月×日 △曜日
良く晴れた日。

今日は十四郎と一緒に水族館に行って来た。

水槽の小魚やジュゴン達がとても可愛かった。
十四郎と眺める水槽は、とても綺麗だった。
また、十四郎と来れたらいいな…』





『○月△日 □曜日
曇りの日。

今日は十四郎とずっと家で過ごしていた。

十四郎と一緒にテレビを見たり、音楽を聞いたりして、1日ゴロゴロしていた。

途中で雨が降って来て、そうしたら十四郎が洗濯物を取り込むのを手伝ってくれた。
今度何かお返ししなきゃ。』





『○月*日 ◇曜日
雨の日。

今日は十四郎が出張から帰って来た。

お土産にケーキと紅茶を持って来てくれた。
それを食べながら、出張先であったことを話してくれた。
久しぶりの君と二人きりの時間。
僕はそれだけで満たされた気持ちになった。
この幸せがいつまでも続きますように…』





「なぁ、鴨太郎」

「なぁに、十四郎」


十四郎から呼ばれ、ペンの動きを止めて十四郎を振り返る。

組んだ腕を頭の下に敷いた十四郎がこちらを見ていた。


「毎日毎日、日記書いてるけどよ。一体何書いてんだ?」

「ふふ、これかい?」


日記とは、僕がいつも書いてる日記のこと。

毎日欠かさず書いている。

内容は一度も十四郎に見せたことがない。


「気になる…見せろよ、中身」

「えー…どうしようかなぁ…?」


からかう口調で十四郎を見る。

案の定つまらなそうに口を尖らせてる。


「ますます気になるじゃねぇか」


十四郎はたまに子供っぽい一面を見せる。

そんな十四郎が可愛く見えたりして、ついついからかってしまう。


「そうだね…、…もしも僕達が10年後も一緒にいたら、そのときに見せるよ」


笑いながら、十四郎の言葉をかわす。

我ながら名案だと思った。

十四郎の一時の我が儘をかわすには充分だったから。



…だけど、僕のその言葉を聞いて、十四郎の顔が曇った。


「…もしも一緒にって…、どういうつもりだ?」

「ぇ…?」

「絶対ェ一緒にいるに決まってるだろうが」




ほんの一瞬、時間が止まった気がした。




「俺達はずっと一緒にいるって約束しただろ」




トクン。トクン。

ゆっくりと心に温かいものが流れてくる。

言いようのない嬉しさと、切なさと、罪悪感。

様々な感情が僕の心を包み込み、染み込んでいく。


「……そ、そう、だったね。ごめん、今のは忘れてくれ」


そうごまかそうとした僕の身体が、温かいものに包まれた。


「…と、十四郎…っ」


十四郎が僕の身体を後ろから抱きしめているのだと理解するのに、数秒かかった。


「鴨太郎……」

「ぁっ…」


十四郎が僕の首筋に吸い付いてくる。


「やっ…だめ、」


着流しの隙間から身体を撫でられ、ゾクリと背中を震わせる。


「ふぁ…ッやだ、十四郎、」

「なぁ、鴨太郎。さっきのアレ、どういう意味だよ」

「んッ」


耳たぶを甘噛みしながら、十四郎が低く艶のある声で囁いてくる。


「答えろよ。鴨太郎」

「ひぁっ、ぁ……」


片手で僕の身体を弄りながら、空いた手で顎を掴んで後ろを向かせられる。

そして否が応でも、十四郎の鋭い視線に捕まってしまう。


「…ぁ……」


漆黒の瞳に捕らわれて、目が逸らせなくなる。


「…お前は俺のことを、そんな風に軽く考えてたのか…?」

「っ、違、そんなこと、」


そんなこと、思ってない。

今までで一度だって、思ったことなんてない。


「じゃあ何であんなこと言うんだよ」

「…っ!」


怒っているような、悲んでいるような、傷付いているような瞳。


「俺がお前のこと、どんなに大切に思ってるかも知らねぇで…」


十四郎が今どんな気持ちなのか、瞳だけで伝わってくる。


「っ、…ごめ…なさい……」


謝罪の言葉しか出て来ない。

僕は十四郎に酷いことを言ってしまった。

いつも僕に優しくしてくれて、僕を信じてくれる十四郎。

そんな十四郎を、疑うようなことしてしまった。


「…そ、な…つもりじゃ…なかっ…、…」


ボロボロ、と涙が僕の頬を濡らす。

自然と零れてくる涙を、十四郎が優しく拭ってくれた。


「…あのとき誓っただろ。俺はお前を、ずっと愛し続ける。ってよ」

「……ん…」


あのとき誓った言葉がよみがえる。

ずっと一緒だと。

愛し続けると。

約束した筈なのに、僕は…


「ごめんなさい…、僕…、本当にそんなつもりじゃ…」


ゆっくりと身体を動かして向き合い、十四郎の逞しい身体に抱き付く。


「…ただ…僕なんかが十四郎の傍にいる資格なんて…あるのかな…って」


十四郎は黙って僕の言葉を聞いてくれている。


「…っだから…僕…十四郎のことっ…」

「…ん。分かってる。だから泣くな」


感情が高ぶって泣き出した僕の背中を、十四郎が優しく撫でてくれた。


「不安になったら、また確かめ合えばいい。何度も繰り返して、ソイツは本物になる」

「…ふ…っ…十四郎…」

「俺達の関係はそんなに簡単に壊れちまうようなモンじゃねぇだろ?」


十四郎が真っ直ぐ僕を見つめる。

僕も十四郎を正面から見つめ返した。


「…ん」


小さく頷くと、額に口付けを受ける。


「じゃあ、もう一度確かめ合おうぜ。鴨太郎」


そう言って笑った十四郎と、僕は二度目の誓いのキスをした。





************

ラブラブ甘々…SSです。

ナニコレ砂糖吐きそう……

ただ甘ったるくなっただけ…


しかも未完成を間違えてアップしてしまうという馬鹿さ。

修行が足りない以前の問題だぜ!!(泣笑)


ということでスミマセンでしたorz

スイート・ホワイトデー(土鴨)



屯所内を探し回り、ようやく見付ける。

縁側に咲く、ハチミツ色の花。


「鴨太郎」


隊服ではなく袴の姿でゆったりと過ごしている鴨太郎に声を掛ける。


「!十四郎…」


俺に気付いた鴨太郎は顔を俺に向け、花のような笑顔を浮かべる。


「どうしたの?」

「あぁ、ちょっとな」


そう言って鴨太郎の隣に腰掛ける。


「お前に渡したいモンがあってな」

「渡したいモノ…?」

「あぁ」


隊服の胸ポケットから小さな箱を取り出して、鴨太郎に渡す。


「…!これは…?」

「お返しだよ」

「お返し…?」

「今日はホワイトデーだろ」

「…!!」


“ホワイトデー”という言葉を聞いた鴨太郎の顔がカァッと朱に染まる。

耳まで真っ赤に染めてやがる。


「あ、…あんなの…っ出来損ないのチョコレートなのに…っ…」

「んなことねぇよ。すげぇ美味かったぜ」

「っ!」


ビク、と鴨太郎の身体が跳ね上がる。

ああもう本当に可愛いなチクショー。


「すげぇ嬉しかったしな」

「や、やめて…っ…なんかすごく恥ずかしい…っ」


真っ赤になった鴨太郎は小さく縮こまって震えている。


「何でだよ…俺の為に作ってくれたんだろ」

「…っ…それ、は」


半泣きになり、上目遣いに俺を見上げる鴨太郎。

ああそうですか。俺に襲ってくれと言ってんですかコノヤロー。


震える鴨太郎の身体を引き寄せ、腕の中に抱きしめる。


「泣くなよ…俺は嬉しかったって言ってるだろ」

「…っでも……あんな…あんなの…っ…」

「お前の気持ちがたくさん詰まったチョコレートを、『あんなモノ』だなんて言うなよ」


慰めるように、額にキスをする。

何度も背中を撫でてやる。

何度も何度も繰り返して、鴨太郎の気持ちが落ち着くのを待つ。


「ん……ありがとう…も…大丈夫…」


落ち着いたのか、身体の震えは止まっている。

俺の隊服をキュッと掴んで、俯いて赤くなった顔を隠していた。

やっぱり可愛すぎるな、鴨太郎は。


「…それじゃ、落ち着いたところで、俺からの気持ち受け取ってくれるか?」

「…!」


紅潮した顔を上げ、潤んだ瞳と視線が絡む。

戸惑いと躊躇いと、困惑の表情の鴨太郎。


「……本当に…いいの…?」

「当たり前だろ」


お前だから、いいんだよ。そう言って、改めて鴨太郎に小箱を差し出す。

その小箱を、鴨太郎の細く白い手がそっと受け取った。


「…ありがとう…、喜んでいただくよ」


鴨太郎の顔に、最高の笑顔の花が咲き、涙が零れた。

俺は涙を拭ってやりながら、鴨太郎に、開けてみろよ。と促す。

鴨太郎の手が小箱のリボンにかかり、しゅる…と小さな音を立てて紐解かれた。


「!!わぁ…」


小箱の中のネックレス。

猫をモチーフにしてあり、両目に石が埋め込まれているモノだ。

これでも街中で散々悩んで選んだんだぜ、一応。


「綺麗……」

「気に入ってもらえたかよ?」


ネックレスを手に取る鴨太郎を見て、そう問い掛けると、本当に嬉しそうな笑顔で頷いてくれた。


「こんな素敵なモノをもらえるなんて…逆に申し訳ないよ…」

「何言ってんだ、お前からの贈り物なんだから、こんぐらい当たり前だろ」


そう言ってやると、また鴨太郎に花が咲いた。

ふわふわと柔らかい猫っ毛の髪を撫で、真っ直ぐ鴨太郎を見据える。




「これからも…大変なこととか、辛いこととかあるかもしんねぇけど」





「…ずっと、一緒にいような」



俺の応えに、鴨太郎は俺に抱き付いて震えながら、無言で頷いてくれた。





************

もうひとつホワイトデーSS…です

思うように書けなかった…

本当はもっと甘々にしたかったのですが…

まだまだ修行が足りませぬ!
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