「あれ、佳野ちゃんだ。」
いつぞやより体調を悪くさせたような顔をした茶髪は、隣の筐体のゲーム画面を見ながら言った。
「ん?」
「だから、味方。」
私は、しづね。茶髪は、稜。
茶髪の名前が変わっていて、気づかなくて。
「あぁっ! ホントだ!」
「仕事しろよー?」
「お前もな」
結果を言えば、負け。
敗因は、
「おいおい、負けてAとか泣けるぜ…?」
そう言う茶髪の隣の私で。
「アタボ200とかどゆこと……」
「おまっ」
「あ、いや待て見るな、これはほらそのなんだあの、」
「仕事しろって言っただろー!」
「だからその、いやなんだ、すまん…」
笑いながら、触れ合う。
珍しく彼のいない、居心地の良い会話。
「また佳野ちゃんw しかも敵マチw」
「ちょ、やだー!」
「よし佳野ちゃん狙うか」
「やめろ忍者は嫌いだ」
結果は、負け。
「ははっ、ざまあw」
「るせーあーもう動けねえ!」
つい悪くなる口。
まだ直らないなと、反省。
続いて味方マッチング。
こちらも引き分けで、なかなか茶髪と組んで勝利できない。
そして最後、敵マッチング。
「お、ま、忍者うざい!」
「しづねちゃん隙だらけですよー?」
「お前ミリじゃねえかこのっ、」
「あっ、」\KILL/
「ざまあ」
そんなことを言い合って、ようやく私の勝利。
茶髪に勝ったのはこれが初めてだと思う。
「えへへ、勝った」
お互い筐体を離れ、ドヤ顔で言ってやると、
「……っかつく!w」
案の定悔しがる茶髪。
その顔があまりに幼くて、どきり。
「ところで風邪、へーき?」
ぽつり、聞いた言葉に、
「おぉ、一応薬飲んだからね」
「つかお前風邪なら寝てろよ」
「えーやだ。」
「……だろうね」
やっぱり、少し子供。
「茶髪ー、私帰るよ」
「えー」
「えーってお前…」
最近、私が帰ると言うと、彼がいない場所では、よく「えー」と言うようになった。
私がよく言うからか、それとも。
妄想、ですね。
「ぅ、あ、あっま」
紅茶花伝の、苺ミルフィーユ。
口に含むと、甘くて。
「うぁー、あまいー、」
甘党の私が訴える甘さ。
「すげ、匂いが甘いわ」
私の隣で小さく笑う茶髪。
「飲んでみる?」
多分ノーが返ってくる質問に、
「や、いいよ」
案の定、ノーと返した茶髪。
さてこの飲み物をどうしたものかと思い、飲めなくはないので、とりあえずもう一度口に含む。
喉を通る音。
1回、2回、
含んだものを飲み干し、もう一度口に含む。
「――――っ!?」
頭を抱かれ、唇には温かい感触。
自分の物ではない舌が私の咥内を少し掻き乱して、
「――ん、あまい」
抱かれた私の頭を話し軽く叩いた後、甘さで少しむせながら、茶髪はそう呟いた。
----
っていう妄想が浮かんでもう。
飲む?、いやいい、あたりまでは実話。
紅茶花伝の、苺ミルフィーユ。
口に含むと、甘くて。
「うぁー、あまいー、」
甘党の私が訴える甘さ。
「すげ、匂いが甘いわ」
私の隣で小さく笑う茶髪。
「飲んでみる?」
多分ノーが返ってくる質問に、
「や、いいよ」
案の定、ノーと返した茶髪。
さてこの飲み物をどうしたものかと思い、飲めなくはないので、とりあえずもう一度口に含む。
喉を通る音。
1回、2回、
含んだものを飲み干し、もう一度口に含む。
「――――っ!?」
頭を抱かれ、唇には温かい感触。
自分の物ではない舌が私の咥内を少し掻き乱して、
「――ん、あまい」
抱かれた私の頭を話し軽く叩いた後、甘さで少しむせながら、茶髪はそう呟いた。
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っていう妄想が浮かんでもう。
飲む?、いやいい、あたりまでは実話。