かげらふ日記(虚構)27『隙間を狙え』


話題:どうでもいい話


私は幾つか習い事をしているが、その中の一つに剣道がある。と言っても普通の剣道ではない。

爪楊枝剣道。

その名の通り、竹刀の代わりに爪楊枝を持つ剣道だ。それ以外は普通の剣道とほぼ同じで、ちゃんと面を被り胴を巻き小手を付け袴を履いて行う。

剣が爪楊枝なので打たれても全然痛くなく、怪我が少ないのが大きな魅力だ。剣も竹刀と違って軽いし小さいしで持ち運びも全く苦にならない。稽古後の食事の際には本来の用途である爪楊枝として使える……という具合に万事良いこと尽くめなのである。

とは言え、侮って貰っては困る。決して甘い競技ではないのだ。むしろ普通の剣道よりも厳しい部分も間違いなく持ち合わせている。何と言っても、“小手をはめた状態で爪楊枝を両手で持つ”、これが至難の技。手先の繊細な感覚と高い集中力が必要で、それを持続しなければ試合にならないのである。あまりの緊張に耐えられず神経をやられイップスを発症する者も多い。なかには「爪楊枝ではなくお箸では駄目なのでしょうか?」と泣きつく者もいる。試合時間の7割は落とした爪楊枝を探して拾い上げている時間だと思って貰って構わない。かような事実が示すように、とにかく心身の強さが共に必要となる。

何故そのような過酷な競技を続けているのか。

それはひとえに競技人口が少ないからである。競技人口が少なければ日本代表にも選ばれやすい。隙間を狙うのだ。残念ながら次のパリ五輪では採用されなかったが、その次か、次の次あたりの五輪ではこの【爪楊枝剣道】が正式種目として採用されるのではないか、と私は踏んでいる。

是非とも近々のオリンピックで、爪楊枝をはしっと構えた私の勇姿を楽しみにして頂きたいものである。

〜おしまひ〜。

*追記*

爪楊枝剣道が正式種目にならなかった場合の保険として、冬季五輪を見据えた【つららフェンシング】も習い始めました。




てなもんや八十年


話題:昔ばなし


いまは亡き祖母がまだ現役で働いていた頃、職場の同僚女性で仲の良い方がいて、家が割りと近い事も手伝って時々家に遊びに行ったりしていたらしい。豪雨で川が氾濫し、自宅が浸水した時など数日寝泊まりさせて貰った事もあったそうだ。

その同僚女性には小学校に通う男の子がいた。身体が大きく元気いっぱいで、くりくりした目とよく通る綺麗な声が印象的だった、と祖母は語っていた。

……のちの財津一郎さんである。

 
☆アンケート『 “ いちろう”と聞いて思い浮かぶ有名人は?』


第10位…鳥羽一郎(歌手。元漁師)

第9位…山川豊(鳥羽一郎の弟。鳥羽一郎と答えるつもりでうっかり弟の方を言ってしまったものと思われる)

第8位…さくらと一郎(歌手。昭和枯れすすきが大ヒット)

第7位…イチロー(野球。説明する必要はないだろう)

第6位…すすきと一郎(歌手名と曲名がごちゃごちゃになってしまったものと思われる)

第5位…古舘伊知郎(アナウンサー)

第4位…チチロー(イチローの父)

第3位…財津和夫(歌手だが恐らく財津一郎と間違えてうっかり言ってしまったものと考えられる)

第2位…財津一郎(俳優。てなもんや三度笠など出演多数)

第1位…冨永一朗(漫画家。紅白歌合戦と並ぶ国民的番組とも云われる「お笑いマンガ道場」に出演)


これはあくまでも個人的に行ったアンケート調査で公式なものでは全くないが、それでもあのイチロー氏を超える2位という順位はスゴいと言わざるを得ない。故・冨永一朗には及ばなかったが、それは仕方ないだろう。


その財津一郎さんが今月、永眠されました。享年89才。つまり、先ほどの祖母の話はもう80年近く前という事になる訳だ。

何だか、時の流れの速さばかりを感じてしまう今日この頃、気になるのは「ピアノ売ってちよーだいっ!」のタケモトピアノのCMが財津さんが亡くなった事によって終了してしまうのか?という事だ。個人的には続けて欲しいように感じる。こんな世界情勢の時だからこそ「みんな〇まぁ〜るく」のメッセージが改めて意味を持つように思えるからである。



〜おしまひ〜。



八月の合言葉は「掘った芋いじくったな」で決まり

話題:食生活


  とにかく、先月(8月)はジャガイモをよく食べた。いつもなら一年で食べるぐらいの量を1ヶ月で食べたように思う。そうなった理由は……私の居住地域に線上降ジャガイモ帯が掛かって集中的にジャガイモが降ってきたから……ではない。アメリカのせいだ。

正確に言うならケンタッキーとマクドナルドのせい。よりによって同時期にフライドポテトの安売りをやるものだから、もう大変。何故なら、「フライドポテトの文字や写真を見ると反射的に買ってしまう」癖が私にはあるから。気づけば左手にマックフライポテトのL、右手にケンタのバケツポテト、胃の中には食べたばかりのガストの山盛りポテトがあるという始末。問題はバケツポテトだ。これはとても独りで食べるような量ではない。従って当然、翌日まで残る事になる。2日掛かりでようやく食べ終えホッとしたのも束の間、気づくとまた新たにマックフライポテトとケンタのバケツポテトを買っているという……。そんな感じでほぼ1ヶ月、殆ど毎日フライドポテトを食べ続けてしまった。こうなると魔が差したでは済まない。多分そういう病気なのだと思う。

しかもフライドポテトとは別に何故か世界のポテトチップスの大特価セールみたいなのが始まっていて、当然これも食べない訳にはいかない。もともと夏になるとポテトチップスを食べたくなる体質でもある。それは子供の頃からそうで、市民プールの売店でプロ野球チップスや仮面ライダーチップスを食べまくったのを今でもよく覚えている。ポテトチップスの油分もプールの生温い水の取り合わせが実に気持ち悪かった。

因みに、食べたポテチはフランス、スペイン、アメリカ、ドバイ(アラブ首長国連邦)、韓国、マレーシアのポテトチップスで、お気に入りは一番安かったマレーシアのもの。芋の味がちゃんと感じられ、ほんのりとした甘さがシンプルな塩味を引き立てていた。

とまあ、こんな具合に、フライドポテトの合間にポテトチップスを食べ続ける毎日。それとは別に、カレーにもジャガイモを入れるし、肉じゃがも食べる。ハッシュドポテトはフライドポテトとは別物
なので、これはこれで食べる。言う迄もなく 、ポテトサラダも食べる。

どれだけ振り返っても8月はジャガイモの記憶しかない。と言うより、今年の夏の記憶は全てジャガイモに塗り潰されていると言っても過言ではない。もうしばらくジャガイモは見たくない。流石にお腹いっぱいだ。少なくとも今年はもうジャガイモを食べる事はないだろう。

……と話す私の目の前には(マクドナルドの)ポテナゲのポテトが。

どうやら、そろそろアイダホに移住してジャガイモ農家を始める時が来たようだ……。


〜おしまひ〜。



       

暑すぎる夏のアレとアレ。


話題:暑い(~Q~;)



暑過ぎて集中力も思考力も消臭力もナッシング。ならば、ここは一つ、気力が尽きる前に短くパパっと話を済ませてしまいましょう。夏のアレとかアレについてのお話。


@『言わなくなったアレ』

誰も言わない。日射病って誰も言わない。そんでもって、当たり前のよう熱中症と言う。太古の昔から使っていたかの ように熱中症と言う。前は、それまでの癖でつい日射病と言ってしまう人とか、変化を受け入れず半ば意地で日射病と言い続ける人も居たのに、何時の間にかそんな人たちも見なくなってしまった。その後に生まれた熱射病などもはや影も形もない。

何とか他人の口から日射病という言葉を聞きたくて、余程ご高齢の方なら或いは、と思い、80代の爺様に「小まめに水分摂らないとほらアレになっちゃいますからねぇ、ほら、アレ」と誘導訊問風に問いかけてみたが、「ああ、熱中症ね!」と涼しい顔で答えられてしまった。

誰も言わない。日射病って誰も言わない。もちろん私も、100%言わない。



A『見かけなくなったアレ』


子供の頃は舗装されていない土の道路が結構あったし、空き地や籔、茂みもたくさんあった。道の側溝にドブ川が流れていたりもした。そのせいで虫の類いも多かった。それは勿論、趣の深い情緒ある風景なのだが、時に地獄絵図を生み出す事もある。

真夏。灼熱の路上に広がった無数のミミズの亡骸がそれである。干からびてミイラと化したミミズが道いっぱいに広がり、それが何十メートルも続いている。これを地獄絵図と言わずに何と言えば良いのか。気力と体力が充実している時はミミズとミミズの隙間を軽業師のように飛び歩いて進んだりもする事も可能だ が、気色の悪さは如何ともしがたく、泣く泣く遠回りしてミミズの少ない道を通る羽目になる。

それはこの世の無常や命の儚さを私たち子供に教えてくれているように思えた……事などまるでなく、ただただ不気味なだけであった。

そんな光景ももはや遠い昔。土の地面や水場が無くなったせいだろう。昔ながらの風景が姿を消してしまう事は大概、寂しさや切なさを呼ぶけれども、干からびたミミズで埋め尽くされた灼熱の道路に関しては、ホッとしたの一言に尽きると言えるだろう。



それにしても暑い。もともと暑さには強くて未だかつて夏バテした事は一度もないし、夏に食欲が落ちた事もない。この夏もむしろ食欲が増したぐらいだ。……とは言うものの、さすがにこれ以上暑くなると厳しいかも知れない。そう予感させる今年の夏であった。残暑厳しい折、皆様もどうかご自愛下さいませ。


〜おしまひ〜。 



泳げタコ焼きくん。


話題:気になること


 世界水泳を観ていて思った。と言うより、競技水泳を見る度に思っている。それは「フリースタイル」(自由形)という名称についてだ。

“自由”を謳っているのだから、もっと好き勝手な泳ぎ方で良いのではないだろうか。例えば、黄桜のCMの河童みたいにカッパッパー♪ルンパッパー♪と泳げば盛り上がるし人気も出るはず。或いは忍者みたいに水の上を走るとか。SoftBankホークスの周東なら可能だろう。……いや、沈んではいけないので体重は軽い方が良いかも知れない。となると、井手らっきょあたりが適任か。

もっとも、そんな泳ぎ方でボロ負けすると大顰蹙(ひんしゅく)を買ってしまう上、日本代表クラスの場合はスポンサーが撤退するなど死活問題にも繋がりかねないので、出るのは町内会の水泳大会とか、差し障りのないものにした方が良いかも知れない。或いは、必ず勝つか。変な泳ぎ方でも勝てば何も問題ない。「おおー!あんなふざけた泳ぎ方で勝つとは!クロールで泳いだらどれだけ速いのだろうか!」。周囲にそう言わせるぐらいのパフォーマンスを見せたいところだ。……まあ、結局、クロールが一番速いという事にのるのだけれども。

ここで一考。どうせ皆クロールで泳ぐのならば、いっそ[自由形]を[クロール]に名称変更した方が良いのではないか。[男子100M自由形]、[女子200M自由形]ではなく[男子100Mクロール]、[女子200Mクロール]。

それともナニか。将来、クロールよりも速い泳法が発見される可能性がある、と考えているのだろうか。だから敢えて“自由形”という名称を残している。

もし、そんな新泳法が発見されれば、全員右に倣えで誰もがその新しい泳法を使うに事になるだろう。そして、それが新たな“自由形”となる。その時こそ、自由形という名の呪縛から解き放たれたクロールが新種目として誕生する瞬間なのかも知れない。


〜おしまひ〜。


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