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キャラと絡んでみよう22

*黒尾*

「・・・」

タッタッタ・・・

「(来た来た。今日は抱き付いてくんのかなー。)」

『リエーフー!』

「・・・は?」

背中に来ると思っていた筈の衝撃が来ない代わりに、俺が見たのは皐月がリエーフの名前を呼び抱き付く光景だった。

「わ!あ、北原先輩!」

『お疲れ様!今日もレシーブ練頑張ってたねー、偉い偉い。』

「へへっ、有難うございます!って言うか先輩、前にも言いましたけど抱き付くなら前から来てくださいよ。」

『いやー、前からはちょっと・・・流石に人前で恥ずかしいし。』

「大丈夫ですよ!前も後ろも変わりませんって!!」

『そ、そうかなー?』

「そうですよ!」

「・・・」

・・・おいおい何だこれ?
唖然としてその光景を見ている俺のことなんかガン無視で、目の前の二人は楽しそうに会話をしている。いや、いちゃいちゃしているようにも見える、が、先輩後輩のコミュニケーション的なアレだろう。にしても少し近づき過ぎやしないか?つーかリエーフ、そこは俺のポジションだ変われ。皐月も皐月で何照れてるんだ。

そんな事を考えてる俺を未だに無視し、二人の会話は更に続く。


「そういえば先輩、作ってきてくれました?」

『うん、ちゃんと作ってきたよー。はい、お稲荷さん!』

「え!?え!?マジですか!?これ本当に先輩の手作りですか!?」

『勿論。リエーフの為に腕を振るわせて頂きました。いっぱい食べてねー。』

「わー、有難う御座います!じゃあ早速、頂きまー、」

「はいちょっとストーップ。」

『あ、黒。』

「あ・・・何ですか黒尾先輩。」


おい。何ですかじゃねーよリエーフ。皐月も、今俺の存在に気付きましたって顔しやがって。
ってか、


「皐月ちゃんちょっと。」

『え、私だけ?』

「リエーフの為に頑張って作ったお稲荷さんって何ですか?」

『そのまんまだけど、何?』

「・・・俺はそういうの、お前から一度も受け取った事ないんだけどなー。」

『うん、そうだね?』

「・・・」


いやいやいや。
うんそうだね?じゃなくて。
俺の言いたい事流石に分かるだろ。わざとか?


「・・・俺の分は?」

『黒の分?ないよ?』

「何で?」

『何でって言われても・・・ってか、何で私が黒の分を作らないといけないの?』

「は?何でって、」

「ちょっと黒尾先輩!俺の彼女に手作り要求しないで下さい!これは彼氏である俺の特権なんですからね!!」

「リエーフ煩ぇ。」


ってか何言ってるんだこいつ。お前の特権じゃねーよ。

少しイラつきながらリエーフを見た後、皐月を見たら心配そうな顔で俺を見てきた。かと思えば


『黒、大丈夫?きっと主将の仕事と練習で疲れてるんだね。』

「きっとそうですよ!黒尾先輩、あっちで休憩してきたらどうですか?」

『そうだね、それが良いよ。リエーフ、邪魔にならないように向こうに行こっか。』

「はい!」

「おい、ちょっと待て!」













「ちょっとまっ!・・・って・・・ってー・・・」


・・・夢かよ。
ふざけんなよ変な夢見せんなよ。
まぁ途中から変だとは思ったけどよー。



おまけ


『おはよー。』

「はよー。」

『今日も暑いねー。』

「そうだなー・・・」

今朝見た夢を思い出す。ないとは思うが・・・

「なー。」

『ん?』

「お前さ、今日お稲荷作った?」

『・・・え?何で?作らないよ。』

「だよなー。」

『え何?何かあった?作らなきゃいけなかった?』

「いや作らんでいい。」


そして今朝見た夢のことを皐月に話したら爆笑された。


『な、何で私がっ、リ、リエーフの為にお稲荷さん作らなきゃいけないのwww』

「ですよねー。」


あぁ、何ていうか、夢で良かった。
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