体のことを考えるなら、血糖値の上昇がゆるやかで、大量のインシュリンを必要としない、GI値の低い食品を食べるように心がけたいものです。具体的には、GI値が55%以下のものが低GI食品、70以上のモノが高GI食品とされています。主食の中からピックアップすると、白米が58、玄米が55、白パンが平均70、全粒(未精製)のライ麦の黒パンが51、スパゲッティが平均43となっています。同じ米や麦でも、精製していないものの方が吸収速度がよりゆるやかなことがわかります。つまり、食物繊維がたくさん含まれたもののほうがGI値は低いのです。

日本でも体脂肪の多い人や糖尿病、糖尿病予備軍が増えている背景には食事が欧米化してパン食が増えたこと、それも白く精製した柔らかいパンを好んで食べられていることもその一因ではないでしょうか。体脂肪が減らない、血糖値が高いと悩んでいる人は、GI値の観点からも日頃の食生活を見直してみる必要があります。GI値が低く食物繊維が豊富な食べ物には、ビタミンやファイトケミカルスも一緒に含まてている場合が多いのです。肥満や糖尿病を防ぐには、このような栄養学的スローフードがとても役立ちます。

アンチ・エイジングにおいてDHAは強い味方です。DHAをもっとも多く含む食品はマグロのトロです。たったふた切れで1日の必要量を摂ることができます。しかし、高価なトロを毎日食べなくても、イワシを3匹程度食べていれば、DHAやEPAの必要量を満たすことができます。ただ一点、これらは酸化しやすい脂質なので、それを防ぐために、ビタミンEやβカロチンを一緒に摂る必要があります。それさえ守れば、魚は毎日食べていい食品です。

また、緑茶にふくまれるポリフェノールの一種、カテキンには強力な抗酸化作用があり、同時に発がんを抑制し、がん細胞の増殖や転移も抑えてくれることがわかっています。がん予防効果は、同じく含まれているテアフラビン、カロチノイドなどのファイトケミカルスや、クロロフィル、ビタミンCにも認められています。

このほか、最近の研究では、血圧を下げたり、コレステロールをの上昇を抑えたり、血栓を予防するなど、生活習慣病の予防に大きな効果があるといわれています。忙しい生活を送っていたとしても、毎日緑茶を飲むくらいのゆとりは確保し、ほっと一息つきながら、生活習慣病に負けない体をつくりたいものです。