まずは!ありがたき我が糧たる拍手コメントへの返信から!
2/13
「『鬼の鏡』完結おめでとうございます!こちらと「神が宿る木に」目当てで通わせていただいております。〜」が書き出しの方へ。
おおおお……長らくお待たせいたしました。どちらもこだわりのものなので読んでいただいて嬉しゅうございます……!
鬼の鏡はどちらの雲雀にも感情移入してもらいたくて、書きながら悩んでいました。恭弥に同情する声が後半にいくにつれて増えて目論見通り★と(笑)
ホッとしていただけたなら良かったです。どういうのがハピエンの終わりに相応しいのかを悩んだ為に、最後の1話がなかなか書けなかったもので。今こちらがホッとしてます(笑)
次は、神が宿る木にですね……!あっちはまだ長いのですが、どうかお付き合いください!ありがとうございました!
2/14
@
「鬼の鏡完結おめでとうございます!割と初期から読んでたので完結を見届ける事が出来て嬉しいです」
と書いてくれた方へ。
な、なんと……!初期から付き合ってくれてた方が居たとは!
完結までお付き合いいただき、こちらこそありがとうございます!長くかかりましたが楽しんでいただけたのなら幸いです。
他の作品も、力一杯書かせていただきますのでどうぞこれからもお付き合いのほどをー!
A
「鬼の鏡 とてもステキでした!読めて幸せです〜ありがとうございます!(*´v`*)」
と書いてくれた方へ。
私も読んでいただけた上に感想までもらえて幸せですとも………!!
ありがとうございます、これを燃料に次もわしょーい!やるぞー!
と、以上です。
さて、では今回はマジで長いですよ………
8年の間悩み続けた「鬼の鏡」についてと、本来のバッドの話と、ハピエンで終了した為にもう語れない真相なんかを語らせてください。
あと余裕あったら「鬼の鏡」ボツ案からできた「相場は夜と決まってる」のはなしでも。
ネタバレしまくるので嫌な方はスルーで
「追記」に折り畳んでおきますー。
避難完了しましたでしょうか?
では。
えー、ちょっとiPadからだと打ち込みが面倒なので人の雲雀を「雲雀」鬼の雲雀を「恭弥」と表記します。二重鍵括弧出すのが手間なので。
私はmixiの出身なので、廃れた今でも小説を更新履歴代わりにmixiに送信する癖があります。それによると「鬼の鏡」1話は2008年の4月に書き始めたそうな。
当時はREBORN!全盛期。周りも盛り上がりまくりです。
どんなネタ出しても「いいんじゃない、書きなよ読みたいー!」って言われる時期。
特に雲ツナ勢の勢力が強かった。そんで「雲雀が二人」「怪談風」ってのがまだ当時は珍しかったもんで、乗せられるがままに書き出したわけです。
基本、私は連載話を書く時、設定を細かく先に作ったり書き留めたりしません。最後も決まってない。
というのも、本好きに囲まれて育った私の周りには「冒頭で先の展開を言い当てる」特技保持者がおりまして……どうも彼らは作者が決めた先が見えてしまうらしい。こうしようと思ってる展開を触りの文章でわかってしまうとか。
酷い時は2時間サスペンスドラマの犯人を開始15分で言い当てる……
なので、そういう人たちに先を読ませたくないので、書きながら展開を考えるようにしているのです。
ですが。
鬼の鏡だけは最初から「バッドエンドにする」と決めていました。
8年の間に設定や方向なんかも変わったけれど、これだけは変えなかった。
ところがところが、やっぱり決めてると読まれるんですよね………
連載開始してからすぐに「バッドエンドだけは!」「バッドはやめて!」とコメントが来る来る。やー………だからなんで気付いちゃうかな、そこ。
全盛期が過ぎてコメントが来る数が激減しても、忘れるなとばかりに来るんですよ。「バッドは嫌!」って。
揺れました。はい。
もう正直、すごく揺れた。
全盛期の時は全然聞く気無かった。バッドエンドに向かうつもりでした。
リボ人気が落ちて、人が他に流れて行ったあとは「もうあんな日和見の人たちの意見なんか聞く必要あるか、好きに書く!」と思ってた。
でも、コメントが来るんです。まだリボが好きだという人達から。8年の間、いろんな人から。「鬼の鏡が好きです」「雲雀も恭弥も幸せになってほしい」って。
もうぐらんぐらんですわ。終わりに近づくにつれて、バッドではない道が出来てきた。
雲雀が影の設定。
死んでいた『恭弥』を生きていたことにする。
『恭弥』の体=「殻」
ただのペットだった猫のキョウに特殊設定をつける。
『恭弥』の生前のシーンを作る。
お婆と新しい「鬼の鏡」を追加。
恭弥より、雲雀が先に倒れる。
全部、バッドではない可能性を考えてるうちに出来て行った設定です。
そして私にとっての最後の分岐点は、「ツナが古い鏡で『恭弥』を滅するか否か」でした。
連載当初から考えていたバッドは
1 雲雀が恭弥を倒す→自身が恭弥の立場へ
2 恭弥がツナ呪殺→迷うことなくツナは昇天、遺される二人
3 恭弥が雲雀の体を乗っ取る→気付いていないツナの命を狙いながら日々を過ごす
4 ツナが恭弥に同情→身代わりになる→鏡の世界で一人のツナ
と、こんな感じ。
そして話を戻して最後の分岐。話の中では「滅さない」選択をツナはしました。
これが私が一番悩んだ最後のバッドエンドの回避法でした。
5 本体半分の死=雲雀と恭弥、キョウの完全消滅→一人、記憶を保持して遺されるツナ
これの回避。
もしバッドエンドなら、そこも全て作中で書くつもりでした。もっともっと長くなるはずでした。でもハピエンなので書く場がなくなってしまいました。
なのでそこらへんのネタバレ話もどばっといたしましょう。
雲雀が薄々感づいていた、恭弥が消えると自分も消えるというのは正確には間違っているんです。どちらが消えても存在できないんです。
○雲雀→人としてあの惨劇で死んだ部分。元の「雲雀恭弥」の魂魄の魄(はく)、肉体とのつながりの気とかそういうところ。
○恭弥→霊力の多さと感情のうねり、深すぎる恨み辛み、怒りと妄執が寄り集まって、ボロボロの肉体に残った部分。魂魄の魂、精神とのつながりの気。長い年月と負の力を取り込んで肥大化した鬼。
○キョウ→鏡の中でツナが見た、お婆と手鏡の記憶と、そこで「雲雀恭弥」がほんの僅かに抱いた「まだ見ぬいつか懸想する相手」への期待が手鏡に宿った部分。微量すぎて明確な感情や意思を持たず、人型になるに至らなかった。
※二人の雲雀の感情につられて、ツナの元にいた。鏡をツナに渡すのが、彼の存在理由になる。
と、最終的に固まった設定がこれです。
恭弥が本体、自分が影と雲雀は思っていましたが、ただ半分になってる状態だったと。
元は一つなんで関わっていくうちに元に戻ろうとしてたのをそう思ってしまった感じ。
恭弥の方も長いこと勘違いしてたわけです。
・自分は死んでいない状態で鬼になった
・「殻」が自分の本体
だと。だから雲雀を「自分が乗っ取るのに最高に適した体」だと思ったわけですね。
実際は、雲雀が恭弥を滅しても、恭弥が雲雀を殺しても、完全消滅しかなかった。
だからあそこでツナが恭弥を滅してしまった場合、終わりだったんです。雲雀もキョウも。
あれが鬼を倒す最終チャンスで、バッドかハッピーかの分かれ目だったと。
キョウ自身は溢れた欠片程度の存在なので、消えても二人には影響しません。
ですが振り返ってみてもらいたいのは、雲雀の危機を救っていたのはキョウという存在だということ。
何度か恭弥によって危機に陥っていますが、その度に雲雀はキョウの体に避難して難を逃れています。なのでもしあの時キョウが居なかったら……そこでもバッド決定です。
バッドの種があちこちにあった訳です。
バッドエンドだった場合の流れも軽く書いておきますね。
ツナが恭弥を鏡で滅する→手鏡の限界、破損(=キョウ消滅)→ツナ、階段の鏡を抜けて、森へ→雲雀の消滅確認(存在自体がなくなる)→二人が確かにいた証を探して、ツナが夜の学校を彷徨うようになる→階段の鏡、「鬼の鏡」から通じる異空間だけが名残になる→そちらの空間に入り浸るツナ→ツナが恭弥化してしまうEND
大体こんな感じのを考えてました。
実際書いてたら変わっていったと思うんですが、こういう流れのバッド予定でした。
こうやって見ても後味最悪だなと。書かんで良かった………
ハピエンがああなったのは、雲雀の考察通りです。
うーん、大体こんなところかな?
これ以上は細かすぎてつまらないのでやめときましょう。
じゃ、もう一つどこかでしたかった、ボツ案とボツ案派生の「相場は夜と決まってる」の話を。
「鬼の鏡」の設定は、始めは単純でお約束な怖い話だったんです。
よくある「肝試しに行って一緒に居たはずの親しい人が帰ったら普通にうちにいた。今まで一緒に居たのは一体誰なんだ」っていうやつです。
というかそもそも長編を書く気は無かったんです。ただ夏に向けてちょっとそれ系の話書くか、と思ってた。
でもリボ全盛期の書き手のブームは「如何に二番煎じと言われない、凝った設定の話が書けるか」だったんです。だからちょっと凝ってやれ、とあの「鬼の鏡」設定に。
この設定ならば長編にするしかない、それならただの姿が同じな幽霊ではダメだ、本気で雲雀を二人にせねば、となったのです。
当時はまだ、受けキャラが二人の方がメジャーで、攻めキャラが二人は珍しい方だったんです。あと地味に並盛ブレザー姿の雲雀が読んでる人にウケた(笑)
「鬼の鏡」の連載始めてしばらくしたある日、チャットでボツ案話になりまして。
つまんないネタだろー、と当初のネタ披露したところ意外に好評だったんです。どうせなら短編で書けばいいじゃんとまで言ってもらいまして。なら書いてしまおうと。
前後篇で終わればいいやと力抜いて、タイトルも適当に決めて書いてたら、これがまた、なんか予想外に高評価だった……気づけば本気で取り掛かってて、結構な長さに。
8年後に本格的に書き直して内容も増加させてオフとして発行することになるとは本気で思わなかったですよ……ボツ案だったんだから!
予想外の効果として、「鬼の鏡」と「相場は夜と決まってる」のどっちかを読んだ人があとからもうひとつを読んで「これ、もしかして!?」って気付いてコメントしてくれるのがとっても楽しくて嬉しかった。
感想もですが、読んでくれた方の反応を知れるのが何よりのご褒美。私がやっぱりずっと8年間不動でここにいるのはそういうのがあるからですねー。
うーし、3月頭までは原稿だがそこ超えたら桜のアレにも力を入れるか………
吸血鬼も人魚も赤い石も童話もまだある…………一つ終わったからってまだ安心できない現状だあー……
ま、頑張りましょー。